シーメンス、「SOMATOM Symposium 2017」を開催

category:取材速報
2017.09.05
内藤博昭氏
平野雅春氏
尾尻博也氏
今井 裕氏
末廣瑛里奈氏
出田真一朗氏
(垣見明彦氏代理発表)
前林知樹氏
伊藤進吾氏
 8月26日(土)、ガーデンシティ品川(東京都品川区)にて「SOMATOM Symposium 2017」が開催された。
 当日は、250名を超える多くの来場者が訪れ、同社の最新情報をはじめ、Dual Energy CTの多領域における有用性など様々な講演が行われた。内藤博昭氏(日生病院)は、「時間分解能に注目したシーメンス社のDual Energy CTは、Cardio Vascularだけでなく多くの領域でも高い有用性を有しています」と開会の挨拶を述べ、今年のシンポジウムでは、救急、消化器内科、放射線治療などの多くの現場で活躍しているシーメンス社Dual Energy CTについて紹介された。
 最初のセッションは「CT Image Contest 2017 Japanese Edition」。応募数は、昨年を上回る62症例。審査員の内藤博昭氏、平野雅春氏(東京医科大学)、尾尻博也氏(東京慈恵医科大学)、今井 裕氏(東海大学)より受賞者が発表された。最優秀賞であるBest Overallに選ばれたのは、末廣瑛里奈氏(神戸大学医学部附属病院)による「冠動脈解離とSMA解離を同時に描出できた緊急造影CT」。49歳男性の症例で、胸腹部痛と背部痛のため他院を受診し、心電図にて急性冠症候群が疑われ同院に紹介された。胸腹部単純CTより、明らかな大動脈解離は認められなかったが、SMA解離を疑う所見が見られ、冠動脈および大動脈の評価に加え、SMA精査のための造影CTが必要となり、緊急心臓CT検査となった。冠動脈および大動脈、SMAいずれも動脈相が求められたが、心臓CT後に大動脈撮影を行うと動脈相のタイミングがずれることや、検査を分けることによる被ばく量や造影剤量の増加が懸念された。そこで、一度の撮影でいずれの動脈も評価できるよう、末廣氏は3点のポイントに基づき、造影剤注入方法と撮影タイミングを決定した。ポイント3点は以下である。
①Double level test injection法を用い、一度のtest injectionで上行大動脈と大腿動脈の造影剤ピーク時間を測定。
②上行大動脈および大腿動脈のピーク時間の差から、造影剤注入時間を最短時間になるよう決定。注入レートは心臓CTと同様で22mgI/kg/sec。
③心電図同期のChest PainモードのTurbo Flush撮影を用い、拡張期での撮影。撮影タイミングは大動脈のピーク時間を参考に決定。管電圧はCARE kvにより80kvにて撮影。
以上のように撮影することで、緊急心臓CT検査にも関わらず、CTDIが2.9mGyと低被ばくでの撮影を実現し、冠動脈、大動脈、SMA解離および血管狭窄範囲の評価を同時に行うことが可能であった。ほか、受賞演題は、「腎動脈における超低造影剤量4次元イメージング」、「腎移植前小児患者に対する包括的全腹部動静脈撮像」などである(表1)。
 セッションⅡは、「Special Lecture」。座長を平野雅春氏がつとめ、内藤博昭氏より「History of Cardiac CT」と題し、講演があった。1980年頃の往復回転方式CTの心臓スキャンや、電子ビームCTなどが紹介され、今までの心臓CTの歴史とあわせて、従来の冠動脈CTAの問題点と考えられる定量的な取り扱いや壁情報の利用などを解消するため、同院で実施している冠動脈CTAの撮影、解析などについて述べられた。今後のCTの開発方向を「時間分解能」「空間分解能」「Coverageの向上」「マルチエナジーの応用」の観点から分析し、各社CTの今後の動向なども予測された。
 セッションⅢでは、引き続き平野雅春氏が座長を務め、「Focus on Acute Care」のテーマで、救急現場でのDual Energy CTや、急性膵炎におけるPerfusion CTの有用性、ハイブリッドERについて、それぞれ土谷飛鳥氏(水戸医療センター)、山宮 知氏(昭和大学)、西島 功氏(中部徳洲会病院)が講演。土谷飛鳥氏はDual Energy CTについて、救急での症例も交え有用性を語り、「Dual Energy CTは見えないものを見えるようにする技術ではなく、見えにくいものを少し見やすくする、あるいは見えているものをより見やすくする技術である」と強調し、Dual Energy CTを用いることで感度が高くなり、見逃しが少なくなることで正確な診断・治療へとつなげることができ、ベテラン医師から若手医師(技師)にまで有用であると述べた。
セッションⅣは尾尻博也氏座長のもと、「Focus on Oncology and Therapy」と題し、セッションが行われ、的場宗孝氏(金沢医科大学)、篠﨑賢治氏(九州がんセンター)、中村和正氏(浜松医科大学)より放射線治療からの視点でDual Energy CTについて講演された。的場宗孝氏は、頭頸部癌に対する4D Volume Perfusion CTの臨床応用について、「SOMATOM Forceによる被ばく低減とsyngo.viaによる画像解析の簡便化により、頭頸部癌におけるPerfusion CTは日常臨床で実施可能な検査である」と述べ、「原発巣の同定と周囲組織浸潤の評価に有効で、腫瘍内の悪性度や虚血部の推定にも有効であると考えられる」と語った。
 最後のセッションⅤでは、「Focus on New performance of Dual Source CT」のもと、内藤博昭氏が座長をつとめ、吉田守克氏(天草地域医療センター)と岡田宗正氏(山口大学医学部附属病院)がそれぞれSOMATOM DriveとSOMATOM Forceについて語った。岡田宗正氏は、SOMATOM ForceのTin(Sn)Filtration Imagingに焦点をあて、「Snフィルターを用いることで、実効線量は増加し、ノイズが低下。被ばく線量低減が可能で、対象臓器により、一般撮影並の線量でのCT撮影ができるため、人類にメリットをもたらすだろう」と語り、一方で、CT撮影件数が増加することで、読影医の負担が増える懸念があり診断補助システムの進歩にも期待を込めた。

1-9南出哲也氏

南出哲也氏

1-10稲田発輝氏

稲田発輝氏

1-11松井誠一氏

松井誠一氏

1-12土谷飛鳥氏

土谷飛鳥氏

1-13山宮 知氏

山宮 知氏

1-14西島 功氏

西島 功氏

1-15的場宗孝氏

的場宗孝氏

1-16篠﨑賢治氏

篠﨑賢治氏

1-17吉田守克氏

吉田守克氏

1-17中村和正氏

中村和正氏

1-18岡田宗正氏

岡田宗正氏

            表1 受賞者一覧
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