富士フイルム和光純薬株式会社、「新型コロナウイルスL452R 変異検出キット」本日発売

2021.05.17

インド型・カリフォルニア型ウイルスに共通する変異を高感度に検出可能

富士フイルム和光純薬株式会社(本社:大阪市中央区、社長:白木 一夫)は、新型コロナウイルス変異株の検出試薬「L452R 変異検出キット」 (研究用試薬)を本日販売開始した。本キットは、ワンステップRT-qPCR 法¹⁾に用いることで、インド型・カリフォルニア型ウイルスに共通する「L452R」変異を高感度に検出することができる。

 

新型コロナウイルス感染症の流行が続くなか、各国で様々な変異株が確認されている。日本においては、イギリス型・南アフリカ型・ブラジル型の感染が徐々に拡大。ウイルス表面のスパイクタンパク質に「N501Y」の変異を持つイギリス型は感染力が高く、また「N501Y」及び「E484K」の変異を有する南アフリカ  型・ブラジル型は、感染力の高さに加えて、ワクチンの効果を低下させる恐れがあると指摘されている。さらに、最近では、日本人に多い白血球型「HLA-A24」において免疫効果の低下が示唆されている。「L452R」変異を有するインド型・カリフォルニア型²⁾  の感染が国内で確認されている。

今回発売する「L452R 変異検出キット」は、独自の設計手法により開発された、新型コロナウイルス変異株の検出試薬。本キットは、新型コロナウイルスの陽性検体から「L452R」変異を高い感度で検出することが可能。さらに、今年3月に発売した「N501Y 変異検出キット」及び「E484K 変異検出キット」との併用により、①イギリス型、②南アフリカ型またはブラジル型、③インド型またはカリフォルニア型の該当結果を得ることができる。

 

<新型コロナウイルスの変異検出のイメージ(+:陽性判定、-:陰性判定)>

 

 

 

新型コロナウイルス 陽性検体

 

 

 

N501Y

変異検出

キット

E484K

変異検出

キット

L452R

変異検出

キット

 

 

 

検出する変異
イギリス型(N501Y)変異
 

 

 

南アフリカ型・ブラジル型

(N501Y・E484K)変異

インド型・カリフォルニア型

(L452R)変異

 

また、インド型ウイルスが持つ「E484Q」変異を検出する「E484Q 変異検出キット」を開発中とのこと。今後は、「L452R 変異検出キット」のみならず、「E484Q 変異検出キット」も併せて使用することで、「E484Q」変異を持つインド型ウイルスを判定することが可能になる予定だ。効率的な PCR 検査を実現する新型コロナウイルス用遺伝子検出キットを開発し、行政検査などの用途として提供していく。新たな変異株への迅速な対応に向けた研究開発を進め、変異株の検出試薬の早期市場導入やラインアップ強化を図っている。

 

富士フイルム和光純薬株式会社は今後も、「次の科学のチカラとなり、人々の幸せの源を創造する」という理念のもと、社会や顧客のニーズに応える高機能・高品質な製品を開発・提供し、医療をはじめとする幅広い分野の産業や学術研究の発展に貢献していく。

新型コロナウイルス変異株の検出試薬「L452R 変異検出キット

¹⁾  PCR 法のうち、RNA からDNA への逆転写反応とDNA の増幅反応を同一のチューブ内で行う方法。

²⁾  インド型とカリフォルニア型は「N501Y」「E484K」の変異を持たず、「L452R」変異を持つ。さらにインド型には、「L452R」に加えて「E484Q」の変異を持つタイプがある。

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