キヤノン、高画質・低線量のデジタルX線TVシステム「Astorex i9」の国内販売開始

2021.04.16

トモシンセシスも可能な多目的透視寝台の登場

キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社 栃木県大田原市、代表取締役社長 瀧口 登志夫、以下キヤノン社)は、コンパクト設計ながら多くの新機能を搭載し、多目的に検査ができる透視寝台のデジタルX線TVシステム「Astorex i9(アストレックス アイ9)」を新たに開発し、4月16日から国内販売を開始する。

Astorex i9は、キヤノン社製平面検出器「i-FPD¹⁾」を採用し、新規開発した画像処理装置「i-DR²⁾」を組み合わせた新しいデジタルX線TVシステムだ。

近年、X線TVシステムは、消化器科におけるバリウム検査の他、内視鏡を使って胆管・膵管を造影する検査ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)や、泌尿器科、整形外科や麻酔科での処置や検査など、多くの診療科で透視を使った検査・処置・治療に活用されており、高画質で低被ばくかつ多目的に使用できる装置が求められている。

Astorex i9はトモシンセシス機能「i-slice」を搭載し、2次元での診断情報に加え、奥行き方向にスライス情報を持ったデジタル断層撮影ができる。CT室に移動することなく、透視検査の手技中に断層情報が得られる。立位での撮影も可能で、荷重状態の断層画像が撮影可能だ。

新機能の「i-fluoro」は、天板や映像系(X線管-FPD)の機械的な動作を行うことなく透視中に必要な視野移動を実現する。内視鏡併用検査でスコープが体内に入っている状況や、椎体穿刺など穿刺の手技において振動のない視野移動を可能とし、より安全な検査環境を提供していく。

さらに、長尺撮影「i-stitch」、DSA(Digital Subtraction Angiography)(オプション)のほか、多くの新機能・新設計を有しており、幅広い透視検査に対応する。

Ⅹ線TVシステムにおいて高画質で低被ばくの検査を実現するためのコンセプトである「octave」は、i-FPD、i-DRに合わせて、octaveを支える8つの技術のバランスをさらに見直し、「octave i」に進化。粒状性のよい、クリアな透視像を提供する octave i は、ストレスのない手技とさらなる低線量検査を提供することが可能になった。

新製品の主な特長

1. コンパクトな寝台で多目的検査に対応できる幅広い動作範囲を実現
寝台はコンパクトで、検査室内の占有スペースが小さく、術者や検査スタッフに広いワークスペースを確保可能になった。映像系長手動の移動範囲は162㎝と大きく、天板左右動は±15㎝可動可能で、広い視野範囲がX線TVシステムの検査の幅を広げる。

2.高画質で低被ばくを実現するoctave iを搭載
独自のリアルタイム画像処理技術と低線量検査のためのアイテムにより、従来比で照射線量を約65 %低減。パルス透視のフレームレートに関わらず、高画質と低線量の両立を実現し、低線量検査を取り入れやすくなった。

3.i-fluoroによる安全な透視視野の移動を実現
天板や映像系の機械的な動作を行うことなく透視中に視野移動をすることが可能。寝台の映像系や天板の移動に伴う細かな振動さえも感じることなく、見たい患部へ視野を移動して観察できる。受診者、術者の安全な手技をサポートする最新の機能である。

¹⁾ FPD(Flat Panel Detector) 平面検出器

²⁾ DR(Digital Radiography)  画像処理装置

 

一般的名称          据置型デジタル式汎用X線透視診断装置

販売名       デジタルX線TVシステム Astorex i9 ASTX-I9000

認証番号              302ADBZX00081000

 

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