エレクタ、次世代の定位放射線治療機器 「Icon™ (アイコン)」日本で製造販売承認を取得
米国でも原子力規制委員会の認可を取得

2016.06.02

 エレクタは次世代の頭部専用定位放射線治療機器「Icon™ (アイコン)」1の製造販売承認を、日本で2016年5月25日に厚生労働省より取得したことをお知らせする。また、米国では5月26日にNuclear Regulatory Commission(NRC:米国原子力規制委員会)による認可を取得し、全米でIcon™による治療が可能になった。

 Icon™は、従来の頭部固定具であるステレオタクティックフレームに加え、分割照射に適した非侵襲のマスクシステムを新たに導入することで、高い精度を保ったまま、いままで治療が困難だった位置にある病変や、より大きな腫瘍など、様々な症例を治療することが可能になる。
 エレクタの最高経営責任者(CEO)トマス・プーセップは次のように述べている。
「日本はエレクタにとって大変重要な国だ。1990年に日本でのガンマナイフ第1号機が導入され、今日では人口あたりの設置台数は米国を上回っている。多くの先生方の長年に渡る貢献により、重篤な脳内疾患に苦しむ多くの患者さんがガンマナイフによって治療を受けてきた。この度承認されたIcon™は、これまで以上に多くの患者さんにガンマナイフ治療への道を開き、患者さんは自分にあった、より良いケアを受けることができるだろう。」
 また、米国での認可についてトマス・プーセップは次のように述べている。
「また、米国では多くの病院からIcon™に対する高い関心が示されている。米国原子力規制委員会による認可により、今後米国のすべての病院においてIcon™による治療が可能になる。」
 Icon™は2015年6月にEU諸国においてCEマークを取得、米国では2015年8月に米国食品医薬品局(FDA)による510(k)承認を取得している。また、韓国でも食品医薬品安全庁による承認を取得している。

 日本では1990年に初導入以来、脳腫瘍、脳血管障害、機能的疾患(薬物療法による疼痛管理が困難な三叉神経痛治療)の治療、特に転移性脳腫瘍(がんの脳転移)の治療に広く導入されてきた。日本では全がんの予測罹患数は約98万人(2015年)2だが、がんになった方の約10%が転移性脳腫瘍を発症するとも言われている3。2014年には約9,000人の患者さんがガンマナイフによる転移性脳腫瘍の治療を受けている4。この度、Icon™の登場により、腫瘍に対してピンポイントの照射が可能で、正常な組織への被曝を最小限に抑えることができる定位放射線治療が、より多くの症例で選択可能になることが期待される。
 Icon™は、治療計画で決定した照射位置を実際の患者さんの位置に合わせて自動的に補正するコーンビームCT(CBCT)を搭載し、照射中は患者さんの頭部位置を正確に捉える赤外線で追跡するHDモーションマネージメントシステムによって、患者さんの動きを監視する。
 エレクタでは「命をささえる – We care for life –」というミッションのもと、患者さんのさらなるQOL向上を目指し、患者さんや医療関係者への貢献を続けていく。

エレクタ
Icon™(アイコン)外観

1 販売名:レクセル ガンマナイフ パーフェクション医療機器製造販売承認番号22000BZX00768000
2 公益財団法人がん研究振興財団 がんの統計’15
3 日本脳神経外科学会 疾患情報ページ http://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/202.html
4 Leksell Gamma Knife Society: Leksell Gamma Knife Indication Treated 1968-2014

●お問い合わせ
エレクタ(株) ニューロサイエンス事業本部
Tel: 03-6722-3808
URL: http://www.elekta.co.jp/