富士フイルム「メディカルシステム事業の成長戦略」発表 2026年度売上高7,000億円を目指す

2022.04.07

 富士フイルム株式会社と富士フイルムヘルスケア株式会社は、2022年4月5日に記者発表会を行い、メディカルシステム事業戦略を発表した。

 はじめに秋山雅孝氏(富士フイルム株式会社執行役員メディカルシステム事業部長)が、同事業における今後の成長戦略を説明した。

 まず、同事業の位置付けについて、富士フイルムグループ全体の売上高(2兆1,925億円)の約48%(10,526億円)を占めるヘルスケア&マテリアルズソリューションの中で同事業の売上高は約3,500億円(2020年度)にのぼったことを報告。その上で、CT、MRI、内視鏡など、補完性の高い両社の製品群を組み合わせることで、幅広い製品ポートフォリオを獲得したことに加え、「SYNAPSE SAI viewer」をはじめとしたAI技術を活用した製品を世界70か国以上で展開しており、2021年度の売上高は5,000億円を超える見込みであると述べた。そして、今後につていは、「AI・ITソリューションビジネスの拡大」「内視鏡事業におけるデジタル診断支援ソリューションビジネスの拡大」など、5つの重点施策を掲げ、「2026年度には売上高目標7,000億円を目指す」と語った。

秋山雅孝氏

 つぎに、山本章雄氏(富士フイルムヘルスケア株式会社代表取締役社長)が、グループシナジーの進捗状況について話した。2021年4月のグループ化以降、シナジー効果早期創出のための事業体制構築として、「経営意思決定の迅速化」「市場プレゼンスの確立」「オペレーションの効率化」に取り組んだと説明。このうち「経営意思決定の迅速化」では、富士フイルムヘルスケアの本社機能を富士フイルムと同床化しグループ内のコミュニケーションを活性化するとともに、両社の研究開発部門の連携を強化したと話した。また、販売シナジーについても、製品ラインアップの拡大にともなうパッケージ販売の拡大など、クロスセル営業の推進により顧客へのアクセスが大幅に向上していると話した。


山本章雄氏