中谷医工計測技術振興財団の長期大型研究助成に東京大学が選定され、「次世代臨床医用計測技術研究ネットワーク拠点」発足

2020.02.26
宮園浩平氏
斉藤延人氏
佐久間一郎氏
家次 恒氏
寳田 馨氏
贈呈式の様子

 東京大学と中谷医工計測技術振興財団(以下、中谷財団)は2020年2月19日(水)、第三回 長期大型研究助成の贈呈に関する共同記者会見が東京大学工学系研究科工学部列品館2階(東京都・文京区)にて開かれた。東京大学からは宮園浩平氏(同大学 理事)、斉藤延人氏(東京大学院医学系研究科長)、佐久間一郎氏(東京大学臨床生命医工学連携研究機構長)、また中谷財団からは家次 恒氏(同財団 専務理事)、寳田 馨氏(同財団 事務局長)の計5名が出席した。
 中谷財団は、医工計測技術分野における技術開発や人材育成を目的とし、これまでに幅広い助成事業を行っている。その事業のひとつである5年間で最大3億円を助成するという長期大型研究助成の第三回目となる今回、佐久間氏の「次世代臨床医用計測技術研究ネットワーク拠点」が選定された。また東京大学は、この助成を活用して寄付研究部門「次世代臨床医用計測技術研究ネットワーク拠点」を2020年4月1日に発足させる。過去二回では研究に対する助成が行われてきたが、今回はシステムの体制に対する助成。初めての試みとなった。
 今回の記者会見では、目録贈呈式も執り行われ、家次氏から宮園氏へと目録の贈呈がなされた。
 佐久間氏からは、「寄付研究部門:次世代臨床医用計測システム研究ネットワーク拠点の概要」と題し、今年4月より発足予定となるこの医工連携研究の内容について説明が行われた。佐久間氏はその目的について「東京大学の医学系研究部門における疾患研究に関する最新の治験、工学系研究部門における先端的な計測技術の基本要素の開発、それら分野の横断的なシステム化とを融合させることで、診断治療支援のための革新的な生体計測技術とその利用技術の開発を行うこと」と話した。また、医工連携によりこれまで臨床的意義づけが明快でなかった生体計測技術に関する研究にとっての新たな位置づけとなるよう機能していくことを視野に入れているほか、研究環境の整備・強化や、大学院生を中心に研究プロジェクト参加による人材育成への注力も目指している、と述べた。
 その後、質疑応答も活発に行われ、「次世代臨床医用計測技術研究ネットワーク拠点」の記者会見は幕を下ろした。