METIS、第5回医療産業テクノロジー推進会議を開催

2011.09.29
荻野和郎氏
梶谷文彦氏
佐久間一郎氏
中里 適氏
楠岡英雄氏
城風淳一氏
記者会見の様子
 日本医療機器産業連合会(以下、METIS)は9月27日、KKRホテル(東京都・千代田区)で第5回医療テクノロジー推進会議を開催した。
 冒頭、荻野和郎氏(METIS会長、日本光電工業(株)代表取締役会長)が「東日本大震災に対して、各社が緊急の支援体制を設けてきた。今後も業界を上げて支援を続けていきたいと思っている」と挨拶。続いて梶谷文彦氏(川崎医療福祉大学特任教授、岡山大学特命教授、九州大学客員教授)が活動内容の概要を説明し「議題はすべてアウトプットが期待されるものであり、これが認められるには国民の理解が不可欠。皆様のより一層のサポートをお願いしたい」と述べた後、各戦略会議に関する報告が行われた。
 「革新的医療危機とレギュラトリーサイエンス(RS)」に関しては、佐久間一郎氏(東京大学大学院工学系研究科教授)が解説。「医療機器RSガイドブックを2012年3月までに公開したいと思っている。初級レベルの産学研究者を対象に、新規医療機器の安全確保や開発期間の短縮といった実務に役立つ読物にするのが基本方針だ。また医療機器RSの定着に向け、学会・研究会を通じ産官学が対等な立場で事例などを共有していきたい」と述べた。
 続いて、中里 適氏(オリンパス(株)医療品質保証部部長)が「未承認医療機器を用いた臨床研究実施の手引き」策定に関する経緯などにふれ、「手引きに関するパブリックコメントをHPやダイレクトメールなどを通じて募集し、8月には意見交換会、9月には戦略会議を開き今後の進め方を確認した。今後の予定としては、11月に第1版を公開し、来年3月までに改訂作業と啓発活動を進めていきたい」と語った。
 「医療機器の適正評価」については、楠岡英雄氏((独)国立病院機構大阪医療センター院長)が説明。「“患者享受価値”“医療者享受価値”“社会的価値”という医療機器・医療技術の有益性を説明する三つの価値を満たすことを目指す」と語り、最終報告に向けて施策提言を体現的にまとめるとした。
 「アジアとの連携・交流」については、城風淳一氏(旭化成クラレメディカル(株)社長付部長)が「政策提言の実現に向けた産官学との更なる連携を推進し、その枠組みをアジアでも強化する。薬事規制などの課題対応については、貿易・投資円滑化ビジネス協議会に入会し、日系企業が抱える実務面の問題点と要望事項を相手国に伝えていきたい。AHWP(Asian Harmonization Working Party)も今後の課題として考えていきたい」と述べた。