東芝メディカルシステムズ、「画論 The Best Image 2013」を開催

2013.12.20
Alain Blum氏
戸崎光弘氏
高橋 周氏
綱川 智氏
 東芝メディカルシステムズ(株)は12月15日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて「画論 The Best Image 2013」を開催した。
 はじめに、CT・MRI・超音波のモダリティごとに上位入賞施設の代表者によるプレゼンテーションが行われた。その内容を踏まえ各審査委員が最終審査を行う間、メイン会場では特別公演が催された。
 特別講演では、まず片田和広氏(藤田保健衛生大学)座長の下、Alain Blum氏(G.H.U Central Hospital)が「面検出器によるサブトラクション技術とメタルアーチファクト除去」を発表した。同氏は、CT検査と金属アーチファクトを低減させる東芝独自のアプリケーションSEMARの有用性について述べた。CTは堅牢で多様性に富んだ包括的なツールで、骨、軟部組織など様々なケースで使うことができるとし、CTは金属インプラントを有する患者に最も適したモダリティであるとした。また、SEMARとAIDR 3Dを組み合わせることで低線量で質の良い画像を得ることができるとした。
 次に、似鳥俊明氏(杏林大学)が座長を務め、戸崎光弘氏(亀田京橋クリニック)が「乳癌に負けない未来へ ~乳房MRIの有用性のご紹介~」を発表した。はじめに乳房MRIの歴史や日本の診療ガイドラインの現状と課題について紹介。また、遺伝的に被ばくについてハイリスクな女性の場合のMRIの運用について、MRIガイド下生検の必要性など乳房MRIにおける基礎的な事項について解説した。
 同時開催の別会場では、畠 次郎氏(川崎医科大学)による座長の下、高橋 周氏(東あおば整形外科)が「エコーが整形外科診療を変える」をテーマに、スポーツ医療現場におけるエコーの有用性について講演した。
 特別講演の終了後には、全552点の応募の中から選ばれた上位入賞施設の発表と表彰式が行われた。表彰後には、各部門の審査委員の代表者から総評が述べられた。CT部門では、「以前に比べ、臨床的に役立つような優秀な症例画像が多かった」(森山紀之氏)、「今回は優秀賞の中に将来を感じさせてくれるような例が多かった」(片田和広氏)、「優秀賞の作品は、それぞれ病態に応じて様々な工夫をされていて甲乙つけがたい症例だった」(栗林幸夫氏)「東芝の装置ならではの性能をうまく引き出した症例が多かった」(辻岡勝美氏)との総評が述べられた。
 MR部門では、「今年は3Tの応募のレベルが非常に高かった」(似鳥俊明氏)、「MRIの発展性や拡張性を改めて教えてもらった」(大友 邦氏)、「非造影MRアンギオに日本人のきめ細やかさが生かされている」(扇 和之氏)、「MRIのシーケンスについて、画論で得たものを持ち帰ってぜひ試してほしい」(小林邦典氏)とのコメントが寄せられていた。
 超音波部門では、「最優秀賞作品は、東芝が力を入れている3Dをもって病変部をきれい描出した素晴らしい画像だった」(吉川純一氏)、「見る観る診るの三段活用をどうやってきたかを評価する対象とした」(松尾 汎氏)、「どれも素晴らしいプレゼンテーションだった」(水口安則氏)、「エコーはリアルタイム性が重要なものになってきている。今後は報告集で動画も見られるようになるとよいのではないか」(金田 智氏)との総評があった。
 最後に綱川 智氏(同社代表取締役社長)から閉会のあいさつとしてコメントがあり、「今年CTの累計生産台数が3万台を超えた。今後とも先生方の指導の下、新しい開発を目指していくことを誓いたい」と意欲を見せていた。
 
 
<各部門最優秀賞>
 
CT
・1~32列部門
最優秀賞 医療法人財団報徳会西湘病院 左腕頭静脈閉塞疑い
・64~160列部門
最優秀賞 銚子市立病院 CTCで注意して画像作成した1症例
・Aquilion™ ONE部門
最優秀賞 群馬大学医学部附属病院 左腎細胞癌
・Aquilion™ ONE(心大血管)部門
最優秀賞 北海道社会保険病院 PTSMA術前のCTによる心筋焼灼planningと術直後における焼灼範囲評価
 
 
MRI
・1.5テスラMR部門
最優秀賞 社会医療法人社団慈生会等潤病院 左神経根奇形(Conjoined nerve root)
・3テスラMR部門
最優秀賞 自治医科大学附属さいたま医療センター Time-SLIP法による肺動静脈奇形評価
 
 
超音波
・心臓部門
最優秀賞 医療法人北関東循環器病院 レフレル心内膜炎
・血管部門
最優秀賞 東邦大学医療センター大橋病院 腹腔動脈起始部圧迫症候群(CACS)
・腹部部門 
最優秀賞 成田赤十字病院 異物による虫垂穿孔(汎発性腹膜炎)
・表在部門
最優秀賞 医療法人社団聖嶺会立川記念病院 棘上筋腱完全断裂