フィリップス、ヘリウムレスMRIが震災時に活躍!~「災害時に止まらない医療を考えるセミナー」開催~

2025.10.08
フィリップス・ジャパンが災害時医療とヘリウムレスMRIの災害への強さの理解を深める「災害時に止まらない医療を考えるセミナー」を開催
フィリップス・ジャパンが「災害時に止まらない医療を考えるセミナー」を開催

 株式会社フィリップス・ジャパン(東京都・港区)は9月30日、「Philips Future Health Index 2025 日本版発行記念 災害時医療に関するプレスセミナー『災害時にも止まらない医療を』」を開催した。

 冒頭では、ジャスパー・アスエラス・ウェステリンク氏(フィリップス代表取締役社長)が医療機関における防災への取り組みや組織改革の重要性に言及。医療機関の人手不足対策の必要性について、「医療現場の仕事を効率化するべきだ。例えば、撮影する画像の質が良くなれば、がん細胞を早期に同定し、治療をより早く始め、将来的な入院を減らすことができると考える。フィリップスはテクノロジーが搭載された医療機器や災害対応の知見を活かして、医療の継続性と質を支えていく」と語った。

 次に、植田信策氏(日本赤十字社医療事業推進本部参事監兼事業局救護・福祉部主幹)が登壇。「災害時等において、医療機器の共同利用は大切だ。高額な画像診断装置は拠点病院にしっかりと設置し、クリニックでも利用できるようなシステムが必要。加えて、撮像した画像やレポートをリアルタイムで様々なクリニックの先生たちも見ることができるシステムを作れば、少ない投資で満足度と質の高い医療につながっていく」と述べた。

 門原 寛氏(フィリップスプレジジョン・ダイアグノシス事業部長)は、「東日本大震災後に7都県の施設について行った調査で、19件の施設でMRIのクエンチ配管が破損しヘリウムが蒸発して磁場が落ちたことが分かった。『BlueSeal』はマグネット内に密閉されたヘリウムを使用するためそうした被害を受けない。また、重さも従来製品よりも1トンほど軽くなったため、上層階に設置できるので、河川の氾濫があっても被害が起きにくい。同装置はトレーラーで運ぶこともできるため、災害があった病院にトレーラーを派遣し検査を継続できる」と話した。

 同MRIを導入した成瀬友彦氏(春日井市民病院院長)は、「昨年度、新しいMRIへの買い替えの時期になり、当初は違う会社のものを予定していたが、このヘリウムレスのMRIが非常に災害に強いと聞き導入した。災害時の対応に自信を持っている」と語った。そうしたリアルな導入事例で会場の関心が高まるなか、最後のセッションであるパネルディスカッションへ移行。災害時におけるヘリウムレスMRIの有用性へ一層注目が集まった。

ジャスパー・アスエラス・ウェステリンク氏(代表取締役社長)
ジャスパー・アスエラス・ウェステリンク氏(代表取締役社長)
植田信策日赤参事監
植田信策氏(日本赤十字社医療事業推進本部参事監兼事業局救護・福祉部主幹)
フィリップス社の門原寛事業部長
門原 寛氏(フィリップスプレジジョン・ダイアグノシス事業部長)
成瀬智彦春日市市民病院院長
成瀬智彦氏(春日井市民病院院長)