
富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、外科手術中の肝臓内部構造の把握を支援する、AI技術を活用した2つの技術「肝臓3D画像連動AI技術」と「超音波画像重畳AI技術」を新たに開発した。肝臓の外科手術におけるワークフローの効率化と均てん化への寄与を目指す。
「肝臓3D画像連動AI技術」は、内視鏡映像内の肝臓に合わせて手術前に作成した肝臓の3D画像を同じ向きに自動で回転させ、同一モニター上で参照できるようにすることで、肝臓の表面からは観察することが難しい肝臓内部の血管構造や腫瘍の位置などの把握をサポートする技術だ。「超音波画像重畳AI技術」は、「腹腔鏡下手術」や「ロボット支援下手術」の際に行われる術中超音波検査において、腹腔鏡やロボットの内視鏡映像内の超音波プローブの位置や方向を解析し、超音波画像を内視鏡映像上に重畳表示することで、直感的な超音波画像の理解をサポートする。
同社が開発したARマーカー(Augmented Reality Marker:拡張現実技術を活用するための目印)付き超音波プローブと組み合わせて使うことで、術中超音波検査の手技を支援する。
主な特長
(1)肝臓3D画像連動AI技術
手術中に観察する内視鏡映像から肝臓の向きを解析し、事前に作成した肝臓の3D画像を内視鏡映像と同じ向きに自動で回転・表示する。肝臓の表面からは観察することが難しい肝臓内部の血管構造や腫瘍の位置などの把握をサポートする。
(2)超音波画像重畳AI技術
超音波プローブの先端と末端(黄色枠内)に印字されているARマーカーを用いて超音波プローブの位置や方向を解析し、超音波画像を内視鏡映像上に重畳表示(赤枠内)することで、直感的な超音波画像の理解をサポート。従来は位置情報を取得する際は、磁気センサーや光学式センサーなどの外部機器が必要でしたが、本技術ではARマーカーを活用することで、このような外部機器を必要とせず、超音波プローブの位置を解析することができる。
お問い合わせ先
富士フイルム株式会社
メディカルシステム事業部
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