富士フイルム、「富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ COVID-19/FluAB」新発売

2025.03.10

 富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤禎一氏)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原、A型インフルエンザウイルス抗原およびB型インフルエンザウイルス抗原の3項目を高感度検出技術で同時に検出できる抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ COVID-19/FluAB」(以下、「COVID-19/FluAB」)を、富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川原芳博氏)を通じて2月4日より発売した。本製品は、富士フイルム株式会社の感染症検査装置「富士ドライケム IMMUNO AG2」(以下、「IMMUNO AG2」)専用の検査キットである。

富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ COVID-19/FluAB

 新型コロナウイルス感染症は感染症法上の5類に移行された後も周期的な流行を繰り返しており、インフルエンザも昨シーズン同様流行していることから、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザウイルス感染症の同時流行の懸念がある。両感染症は臨床症状が類似しているため、症状のみでの鑑別は困難とされている。

 今回発売する「COVID-19/FluAB」は、新型コロナウイルス、A型/B型インフルエンザウイルスの3項目を同時に検査することができ、強陽性時は最短3.5分で陽性判定が可能である。「COVID-19/FluAB」は、写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用した、富士フイルム株式会社独自の「銀増幅イムノクロマト法」により、通常のイムノクロマト法で使用される抗原の標識を約100倍の大きさに増幅することで、より少ないウイルス量での検出を可能としている。また、鼻咽頭ぬぐい液の抽出液を滴下した「COVID-19/FluAB」を「IMMUNO AG2」にセットするだけで自動測定できる簡単操作を実現。測定開始後、最短3.5分から15分以内で判定結果が得られる迅速性も兼ね備えている。

 富士フイルム株式会社は、今後も医療現場のニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて、検査の効率化と医療の質の向上に貢献していくつもりだ。


1.品名

SARSコロナウイルス抗原キット
インフルエンザウイルスキット
(販売名:富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ COVID-19/FluAB/承認番号:30700EZX00002000)

2.発売日

2025年2月4日

3.主な特長

1.新型コロナウイルス、A型/B型インフルエンザウイルスの3項目同時検査が可能

 鼻咽頭ぬぐい液の抽出液を用いて、一つの検体で新型コロナウイルス、A型/B型インフルエンザウイルスの3項目を同時に検査できるため、被検者の検体採取時の負担軽減や医療従事者の検査業務の効率化に貢献している。

2.銀塩増幅反応による高感度検出技術の応用で高感度化を実現

 写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用した当社独自の「銀増幅イムノクロマト法」により、抗原の目印となる標識を、同技術を用いない場合と比べて約100倍に増幅し、視認性を高めることが可能。ウイルス量が少ない場合でも、新型コロナウイルス抗原やA型/B型インフルエンザウイルス抗原を検出できる。

【「COVID-19/FluAB」に応用した、銀塩増幅反応による高感度検出技術】

 金(Au)コロイドと還元剤と銀イオンを共存させると、金コロイドの周囲にだけ銀イオンと還元剤が反応し、金属銀(Ag)が生じやすくなる(銀塩増幅反応)。
 今回開発する検査キットは、この原理を応用。金コロイド標識つき抗体と結合した抗原を、検出ラインに塗布した捕捉抗体が捉え(ステップ①)、前述の銀塩増幅反応をコントロールすることで、金コロイド標識があるところにのみ、金属銀を生じさせ、大きな金属銀を形成させる(ステップ②)。
 その結果、目視検出能が大幅に向上する。

3.感染症検査装置「IMMUNO AG2」で簡便に検査が可能

 国内の病院・クリニックに広く導入されている感染症検査装置「IMMUNO AG2」に、被検者の検体を滴下した「COVID-19/FluAB」をセットすると自動的に測定が開始され、最短3.5~15分で簡便に判定結果が得られる。装置を使用することで、医療従事者は、検体ごとに反応時間を測定する煩雑さや、反応時間終了後速やかに目視判定を行わなければならないという制約から解放される。また、目視判定による判定結果のばらつきがなくなり、同一基準による客観的な判定結果を得ることができる。