第46回日本IVR学会総会 参加レポート

2017.06.27

第46回日本IVR学会総会参加レポートを川田紘資先生(岐阜大学放射線科)にご寄稿頂きました!

図1:学会場の風景
はじめに
 第46回日本IVR学会総会は、金澤 右大会長(岡山大学)のもと「Power of Dreams 夢を力に」をテーマに平成29年5月18~20日にかけて岡山市で盛大に開催された(図1)。日本IVRのメッカの1つと言える、岡山大学放射線科の総力を挙げ作成された、工夫を凝らした充実したプログラムで、e-posterやプログラムアプリなどこれまでのIVR総会にはなかった新たな取り組みも見られ、参加者にとって実りの多い会となった。準備に苦心された金澤先生をはじめ岡山大学医局スタッフの方々のご尽力に敬意を表したい。
 この印象記では、私の個人的に興味深かったテーマをいくつかPick upし、感想を述べたい。興味のままに参加したため、大いに偏りがある点はお許し頂きたい。

肝細胞癌・TACE
 肝細胞癌に対する治療に関しては未だに多くの工夫がなされ、今回も活発な議論が行われた。個人的に興味深かった2演題を紹介したい。静岡がんセンターからはTACE併用RFAの際のCTガイド下穿刺に瞬時に描出されるOblique断面を参照できる"direct-MPR法"を用いた治療成績が報告された。同法を用いた11例について穿刺に関連した合併症は見られず、従来経胸腔的穿刺が必要な症例にも安全な穿刺が行われ見事に治療されていた。実際に演者の先生から使用感について御意見を伺う機会があったが、やはり穿刺に精通されたエキスパートにとっても安心感が違うとのことであった。機器依存の部分はあるが、有用な方法と思われ、RFA以外のCTガイド下穿刺にも応用が期待できると思われた。高知大学からのワークステーションを用いたCTガイド下RFAにおける焼灼範囲の予測に関する発表も興味深かった。ワークステーションを用いて短時間で仮想焼却範囲を設定し、焼却直後の造影CTとのズレを計測、評価した研究であった。5mm以上のズレのあった結節も一定数見られていたが、治療直後に評価できる点で患者の負担も減らすことができ、有用と思われた。
 またTACEは常にIVR学会での主要テーマであり、今回も関連演題の発表が多く見られた。TACEに関しては球状塞栓物質が使用できるようになり、B‒TACEも含め治療選択肢が増えているが、どのような症例にどのようなTACEを行うのが良いのかという点について現時点では明確な答えがなく、今後この点を明らかにしていくことが1つの大きなテーマと思われる。今回の学会では共催された肝動脈塞栓療法研究会も含め、 B‒TACEのエキスパートの先生方からの演題を複数拝聴することができた。 B‒TACEを開発された入江先生の「入江原法」で得られるとされた引き込み効果と押し込み効果の意味、そして「入江原法」での経験を踏まえてB‒TACE標準化のために、九州大学病院別府病院の平川雅和先生が開発された「平川法」について実際の症例を拝見しながら、B‒TACEについて知識、現状について整理することができた。現状自施設でTACEを行う機会が限られている自分にとっては大変勉強になった。今後肝動脈塞栓療法研究会でB‒TACEに関する臨床研究も進められる予定とのことであり、結果を注視していきたい。

球状塞栓物質を用いた子宮筋腫に対するUAE
 2014年より球状塞栓物質を用いた症候性子宮筋腫に対するUAEが保険収載され、広がりを実感していたが、婦人科診療ガイドラインの2017年の改定において、Embosphereが保険収載されたこと、UAEが手術の代替治療であることがそれぞれ明記されたことから、これからさらに広がりを見せることになると感じていた。実際に今回の技術教育セミナーでも項目の1つとして取り上げられていた。
 一方で実際に診療する中で地域の産婦人科医の理解を十分に得られていないと感じている部分もあったため、産婦人科医を代表してお話くださった大阪大学の澤田健二郎先生の講演は興味深かった。やはり産婦人科学会内でもUAEに対する意見は割れている部分もあり、これからさらに相互理解を深めて行く必要があると感じた。またそのためにIVR医としては産婦人科医にも納得してもらえるような日本におけるUAEに関するエビデンスの確立も重要になると感じた。続いて拝聴したこの領域の第一人者でいらっしゃる済生会滋賀県病院放射線科の勝盛哲也先生のご講演では豊富な症例画像・動画を拝見することができ、実際の自分の手技とも比較しながら拝聴することができて、大変勉強になった。

★続きはRadFan2017年8月号にてご覧ください!
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