GEヘルスケア・ジャパン、がん克服に向けた新グローバルキャンペーン「ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジ」を立ち上げ

2011.09.20

乳がんを皮切りに、パートナー各社と共同で画像診断・病理・ヘルスケアIT・診療データを総合的に組み合わせた次世代ソリューションの開発を推進

~ 2020年までに1,000万人の患者により質の高いケアの提供を目指す ~

●乳がんの早期発見や個々の患者に適した治療の実現につながるアイデアを発掘し、資金提供する1億ドル規模のキャンペーン「ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジ」の立ち上げ
●世界有数の乳がん団体であるスーザン・G・コーメン・フォー・ザ・キュアと連携、第一弾として米ワイオミング州・サウジアラビア・中国で、マンモグラフィ(乳房X 線撮影装置)によるスクリーニングと先進的な乳がんテクノロジーへのアクセスを拡大するプログラムを展開
●乳がん検出率の向上や生検の必要性判断に役立つ独自の撮影技術「SenoBright™(セノブライト)」を披露
●GE、がんの研究開発に今後5年間で10億ドルを投資

GEは、9月15日、想像力を駆使して世界が直面する深刻な医療問題の真の解決を目指す「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」戦略の一環として、がん克服に向けた新グローバルキャンペーン「ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジ」を開始する。同チャレンジは、より質の高い革新的な乳がん診断のアイデアを募り、集まった中から有望と判断した案に対して資金提供するもので、GEと世界有数のヘルスケアおよび金融パートナーが共同で実施する。この取り組みを通じて、がんのイノベーションのスピードアップを図り、2020年までに1,000万人に上る世界のがん患者に対し、より質の高いケアを提供することを目指す。なお同キャンペーンは、がん診断に革命的なインパクトをもたらし、患者ごとに適したがんケアの実現を加速するGE独自の多彩な製品群をベースにしている。

同時にGEの会長兼CEOであるジェフリー・イメルト氏は、乳がんをはじめとするがんの検出・治療に関する先進技術とソリューションの拡充に向けた研究開発プログラムに、今後5年間で10億ドルを投資することを発表した。

同氏は、「私を含めたすべての人が、がんが死に至る病でなくなる日が来るのを心待ちにしています。そのような中、「ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジ」を通じて、パートナーの皆様の革新的なアイデアとGE の先進的な腫瘍検出技術を組み合わせることは、がんを克服し、医師や研究者のケア向上に役立つ強力な勝利の方程式の1 つになることでしょう」と述べている。

世界有数の乳がん団体であるスーザン・G・コーメン・フォー・ザ・キュア(Susan G. Komen for the Cure)の創設者兼CEOのナンシー・ブリンカー氏は、「想像力をもとに大きな課題の解決を図る際には、私たちの予想をはるかに上回ることが起こる場合があります。新たなイノベーションや施策、そして大量のリソースを駆使する「ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジ」は必ずや、最も多くの女性がかかるがんである乳がんで苦しんだり、死亡したりする人を世界中からなくす一助になると期待しています」とコメントしている。

がんによる死亡を一人でも少なくするためのオープン・イノベーション
GEは同日、乳がん診断の質を一段と高める新たなアイデアを発掘し市場への投入を目指す、1 億ドル規模の「ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジ」を全世界で開始すると発表した。このキャンペーンの目標は、標準的な治療が効きにくく、主に攻撃的で固形腫瘍と分子構造が似ているトリプルネガティブ乳がん関連の腫瘍に対する理解促進だ。これがさらなる早期発見につながり、今まで以上に的確な診断が可能になるため、結果として医師が患者一人ひとりに最適な治療を施せるようになる。

ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジは、GEが世界有数のベンチャーキャピタル4社(クライナー・パーキンス・コーフィールド & バイヤーズ、ベンロック、モア・ダビドウ、MPM キャピタル)と共同で始めるもので、オライリー・メディア(O’Reilly Media)の協力を得て、データを重視していることが特徴の1つとなっている。同メディアの創業者兼CEOのティム・オライリー氏はデータにもとづくイノベーション推進の主提唱者の一人である。

クライナー・パーキンス・コーフィールド & バイヤーズのパートナーで、ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジの審査員を務めるリサ・スタック氏は、「ヘルスケアでの経験を踏まえると、今後10年以内に、がんのケアに多大な影響を与える新たなテクノロジーが開発されると考えています。先に始めたエコマジネーション・チャレンジの成功をみても分かるように、イノベーションのもとになる、変化をもたらす素晴らしいアイデアはどこからでも生まれる可能性を秘めています。新時代の患者ケアを形作るヘルシーマジネーション・チャレンジで、再度GE と協力できることを大変楽しみにしています」と述べている。

ヘルシーマジネーション・オープン・イノベーション・チャレンジへの応募は、GEとパートナーのベンチャーキャピタルの代表者による委員会で審査される。独立した審査パネルには、GEの幹部やベンチャーキャピタルのパートナーに加えて、次のようなヘルスケア分野の第一人者が名を連ねている。
・アンドリュー・フォン・エッシェンバッハ博士(前米食品医薬品局長官、米国立癌研究所所長)
・リサ・ニューマン博士(ミシガン大学 外科学 教授 兼 乳がんケアセンター長)
・ジャスティン・ステッビング博士(インペリアル・カレッジ がん医学 教授、がん医学のスペシャリスト)
この審査パネルが10万ドルのイノベーション用助成金の受賞者を決定する。結果発表は2012年第一四半期となる予定。

ヘルシーマジネーション・チャレンジの審査員を務め、ヘルシーマジネーションのアドバイザリーボードのメンバーでもあるアンドリュー・フォン・エッシェンバッハ博士は、「科学的発見とテクノロジーの進歩に伴い、がん診断は現在大きな転換点を迎えています。統合されたソリューションを個々の患者にあわせてデザイン・提供するには、これまでの縦割りの取り組みでは通用しません。民間企業・政府・NGO・学界全体で連携しあい、これまで蓄積してきた診断と治療法に関する資産を統合する必要があります。このような協業が患者一人ひとりにあった適切な治療法の開発を促し、それが最適な結果をもたらし、最終的にはがんによって苦しんだり、死亡したりする人をなくすのです」と述べている。

また、GEは初の「スーパーデータベース」の構築にも投資している。これは、分析とさらなるイノベーションの加速に向けて、臨床・分析・治療法・転帰のデータを一カ所に統合しようとするもので、このスーパーデータベースの構築には世界有数のがん研究機関・NGO・政府との協力が不可欠だ。GEではまず、同社のメディカル・クオリティ・インプルーブメント・コンソーシアム、GEヘルスケア傘下のクラリアント、プレミア・ヘルスケア・アライアンス、ならびに米保健福祉省のがん関連のデータから着手する予定。

スクリーニングと診断の質を向上させる新技術
GEはマンモグラフィによるスクリーニングと乳がん診断の質を向上し、かつ医師が患の腫瘍タイプに合わせた適切な治療法を選べるようにする新たなイノベーションに着手する。
GEヘルスケアのプレジデント兼CEOのジョン・ディニーン氏は、「がんは複雑な病気で、その状態は患者ごとに異なるため、担当医は個々のがん性腫瘍を見極めるための高度なツールが必要です。GE ヘルスケアはこれまで、医療機関と協力しながら、がん患者をより的確に管理するための革新的な診断装置や分子イメージング機器を継続的に開発してきました。そして当社では今後も、細胞レベルでのがん解析の推進を継続していきます。これらの技術の導入で、医師は初めて、最も的確で有効な治療を施すのに必要な情報を過不足なく入手できるようになります」とコメントしている。

GEは同日、乳房内の血管を鮮明に描出するデジタルマンモグラフィ用の新撮影技術「SenoBright™(セノブライト)」を披露した。セノブライトは、デジタルマンモグラフィと2つの異なるX線エネルギー、そして一般的な造影剤を組み合わせたGE 独自の撮影技術で、乳がん検出率の向上や生検の必要性の判断に役立つ。加えて、不要な検査を減らすとともに医師の治療能力向上にも寄与するため、結果として医療費の削減に貢献する。セノブライトは現在、米食品医薬品局に薬事申請中で米国内では販売されていないが、米国外ではすでに欧州とアジアの17の医療施設に導入されている(注:日本では薬事承認を得て、2011年2月より販売を開始している)。
またGEでは現在、ケア対象のがんを拡大して、新たなソリューションの提供を図っている。GEの研究者が現在取り組んでいる先進技術のひとつが、陽電子断層撮影装置(PET)用の新たなトレーサだ。このトレーサを開発して腫瘍内の新生血管を診ることで、施した処置が有効に作用しているかどうかを治療の初期段階で評価できるようになることが期待されている。

がんケアへのアクセスを拡大するグローバル・コラボレーション
GEは同日、米国をはじめとする全世界のより多くの女性に最新の乳がん技術を届ける初のプログラムを作り上げることを目的に、スーザン・G・コーメン・フォー・ザ・キュアと3年間にわたり提携することを発表した。これらのプログラムはまず、米ワイオミング州・サウジアラビア・中国で導入する予定。
ワイオミング州:GE は多くの州機関と連携し、モバイル型マンモグラフィに対する革新的なアプローチやデジタルツールを使用した予約システムを取り入れることで、僻地に位置するという地理的条件に起因する課題の解決を狙う。

サウジアラビア:GEとサウジアラビア健康省は、乳がんスクリーニングへのアクセス拡大に向けたパートナーシップを結んだ。GEはリヤド市にモバイル型装置を2台開発・設置し、2011年10月から始まる最初の12カ月間で1万人の女性をスクリーニングすることを目標に掲げている。またGEは大学と連携して、サウジアラビアの女性向けのオープン・イノベーション・チャレンジを開始し、同国内で乳がんスクリーニングの質を高めるための持続可能な手法を見出していく予定。

中国:GEとパートナー各社は、乳がんスクリーニングの認知度を高め、受診方法を徹底させることを目指して、今年末までに広東省で幅広い支援プログラムを立ち上げる予定。このプログラムでは、農村部において知識レベルとスクリーニング受診率を向上させるローカルモデルの開発に取り組む。

GEでは今後、ウェブサイト上で、このがんへの取り組みに対する最新情報を随時伝えていく。

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