第57回中部IVR研究会参加見聞記

2015.03.05

平成27年1月31日(土)~2月1日(日)に名古屋大学で開催された第57回中部IVR研究会を、医療法人光生会 光生会病院 放射線科の橋本 毅先生にご執筆頂きました!

第57回中部IVR研究会参加見聞記

医療法人光生会光生会病院放射線科
橋本 毅

はじめに

平成27年1月31日、名古屋大学医学部医系研究棟にて、当番世話人である名古屋大学の鈴木耕次郎先生の下、第57回中部IVR研究会が開催された。本会は名称が日本IVR学会中部地方会から中部IVR研究会(地方会化される前の名称)となり、2回目の開催であった。当日の名古屋は晴れていたが、寒く、広い敷地を有する名古屋大学の外移動は少々堪えたため、フロアに設置されたコーヒーを飲みながら、発表を拝聴した。
さて私は3年前に中部エリアに来たばかりで、この研究会には数回の参加経験しか無いが、いつも活発にご発言されている先生方が所用で欠席されているためか、質問数が通常よりも少ないように感じた。しかし、会場内は早々に埋まり、スタッフの方々が増席する程の盛況ぶりであった。
セッションは5つ(ステント・ステントグラフト、RFA、塞栓術1、塞栓術2、塞栓術3・その他)に分かれており、いずれも示唆に富む症例であったが、個人的に興味深かった症例を中心に報告したいと思う。

セッション1;ステント・ステントグラフト

このセッションでは、解離性大動脈瘤に対するTEVAR後の偽腔塞栓、自作開窓ステントグラフト留置、TypeVエンドリークへの直接穿刺による瘤塞栓、転位右肝動脈瘤に対するコイル塞栓とcovered stent留置、SFA stentの5演題が発表された。
藤田保健衛生大学のTAAAに対する自作開窓TEVARの1例は、腹腔動脈をコイル塞栓した後、上腸間膜動脈、両腎動脈に合わせて開窓、マーキングしたTX-2 Distal extensionを分枝の閉塞やエンドリーク無く、正確に留置されており、さすがは伴野先生と唸らされた。
自演題であるSFA stentの発表であるが、Stanford大学のDake教授より良好な開存率が最近になり報告され、当院でも良好な開存率であったが、自験例での動きに伴い、ステントの捻れや屈曲が認められており、ステント破損やそれに伴う血管損傷、狭窄などについては、今後も注意深い観察が必要と思われる。

セッション2;RFA

このセッションでは、肺のRFAが2例、肝のRFA、RFA時の臓器分離症例の検討がそれぞれ1例ずつ、計4演題が発表された。
愛知県立がんセンター中央病院の当院における肺RFAの治療成績では良好な結果が報告されていたが、heat sink effectにより、再発が生じた症例は全例肺門部の症例であった。また三重大学の大腸癌肝転移に対するDSM-TACE+RFAでは、この治療は局所制御率が高く、生存率の延長に寄与する可能性があると述べられていた。

セッション3;塞栓術1

このセッションでは、TACE後の肝膿瘍形成、HCCやmeta.に対するbeadを用いたbland embolization,TACE、胆道ステント留置後の出血に対する塞栓症例の検討、PTPE後のAP shuntを塞栓した症例、門脈出血に対し、PTPEを施行した症例の6例が発表された。
岐阜大学の肝動脈化学塞栓術後に肝膿瘍を呈した1例は、drainageにより改善していた。私は運良くいままでに経験が無いが、同様の報告を以前にも見たことがあり、時に致死的になり得るため、この疾患を念頭に置き、今回の症例のように、早急な診断・治療が必要と思われた。福井県立済生会病院の悪性胆道狭窄に対する胆管ステント留置後に胆道出血を生じ塞栓を施行した症例の検討では、質疑応答ではステントの両端で発生している症例が多いかとの質問があり、私もそのように考えたが、ステント中心部で多いとの報告であり、このような症例では全体的に出血巣を観察する必要があるとの報告であった。名古屋市立大学の経皮経肝的門脈塞栓術後にAPシャントが生じた1例では、triple co-axial systemを使用し、動脈側より門脈へと孫カテーテルを進めて、門脈側から動脈側をコイルにて塞栓し、PTPEを完遂したとの報告で、きれいに塞栓していた。このような症例ではtriple co-axial systemはback upも取れ、有用と考えられた。Echoガイド下での門脈穿刺では、肝動脈や肝静脈も計らずに穿刺していることがあり、AP shuntやAV shuntに注意が必要である。またtract embolizationの時には、門脈や肝静脈への塞栓物質の流入があり得るため、それに関連した合併症への注意が必要である。

(続きはRadFan2015年4月号にてご高覧ください!)

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