第三回加齢画像研究会報告 〜加齢画像研究会の発展に向けて〜

2014.12.05

2014年10月18日、京都烏丸コンベンショナルホールで開催された第三回加齢画像研究会を、国際医療福祉大学三田病院の阿部先生にご執筆頂きました!
 
第三回加齢画像研究会報告
〜加齢画像研究会の発展に向けて〜
国際医療福祉大学三田病院 
阿部克弘
 
はじめに
 
本稿では、2014年10月18日(土)京都烏丸コンベンショナルホールで開催された第三回加齢画像研究会について報告させて頂く。今回の当番世話人は代表世話人でもある聖マリアンナ医科大学の中島康雄先生であった。放射線科・美容外科・解剖学者が発起人となって2012年に発足した研究会も3回目となり、参加者は多岐にわたっており、乳房に関する教育講演3演題、顔面に関する教育演題2演題、ランチタイムセミナー1演題、一般演題5演題、特別演題1演題と年々増加し、大変充実した内容であった。
 
教育講演:乳房
 
教育講演1は、聖マリアンナ医科大学ブレスト&イメージング先端医療センターの印牧義英先生による「乳腺と月経周期の関係、その画像所見について」というテーマでの講演であった。初めにMRの基本的内容についての説明により、乳腺MR画像の理解が深まるとともに、乳腺と月経周期の関係を示すMRI画像所見や乳腺構造の加齢性変化の画像の提示による大変わかりやすい解説であった。
教育講演2では、亀田京橋クリニックの町田洋一先生により「乳房の加齢性変化 腹臥位乳房MRIから得られる知見」というテーマで講演をされた。日頃臨床にて腹臥位で撮像された乳房MRI画像から乳房形状と加齢との関連性についての評価を行い、加齢による乳頭の位置の変化に着眼されていた。
教育講演3は、(株)ワコール人間科学研究所の岸本泰蔵先生による「女性の加齢による乳房および臀部の変化」というテーマでの講演であった。人間科学研究所は、1964年の発足以来50年間毎年人体計測を続け、その計測人数は延べ4万人を超えるまでになり、同一人物を30年間以上追跡計測したデータも保有していると報告されていた。これ程まで長期間継続して収集したデータ分析は珍しく、日本女性の加齢による体型変化の実態が明らかにされていた。加齢により、バスト・ヒップ共にたわむや流れる等のような数段階による形状の変化が起こっていることを多くのデータ分析により解明されていた。また、運動によるバストの動きを動画で紹介されていて、小走りによりバストは尾側ではなく頭側に揺れていた。これは、乳腺組織や脂肪を支えるクーパー靭帯による働きであり、加齢による形状変化に影響を与えていることを示唆されていた。
 
ランチタイムセミナー
 
ランチタイムセミナーでは、ザイオソフト(株)の安達雅昭先生が「3D画像処理の原理と基礎」というテーマで講演をされた。診療放射線技師である自分にとっては、使い慣れたワークステーションであったが、初めて知る人にも大変わかりやすく解説されていた。3Dワークステーションの画像処理方法を簡潔に話されていて、今後の加齢画像を用いた解析等で使用する際に役立てる内容であった。
 
教育講演:顔面
 
教育講演1は、東京医科歯科大学臨床解剖分野の秋田恵一先生による「解剖にもとづく顔面加齢:筋を読み解くこと」というテーマでの講演であった。「解剖
学に新しい知見はない」という言葉は大変印象深く、重みのある言葉として受け取った。解剖学者は創られた構造をそのまま示すことが使命であると述べられていて、外科医や放射線科医等とは違った視点から物事を捉えることの重要性を感じた。無心で解剖にのぞむことが大切であり、先入観を持ってしまうことで事実が歪んでしまうことの恐ろしさも感じた。
講演では、胎児所見(図1)と成人の解剖所見を比較し、表情筋の基本構成について整理され、時間軸の中で何が起こっているのかを解説されていた。解剖構成に対し、個々に考えるのではなく、全体を捉えながら物事を読み解くことが必要であるように思った。現在取り組んでいる自身の研究に関しても、新しい知見を導き出すことに捉われすぎず、物事の本質を見る力を養っていく必要性があると感じた。
教育講演2では、同所属先である国際医療福祉大学三田病院放射線診断センターの奥田逸子先生が「画像から見る顔面加齢」というテーマでの講演をされた(図2)。顔面加齢を画像診断学的に診ることの奥深さを感じるとともに、顔面構造物の解剖とそれらの加齢に伴う生理的変化の特徴を理解することから多くの新しい研究に結び付けていける可能性を感じた。奥田先生は、本研究会発足のきっかけとなった研究から様々な研究を手掛けており、今後も更に拡散していくような展望のある講演であった。講演では、CTやMR画像及び解剖所見や組織像等も含めた提示によるわかりやすい解説により、加齢による様々な顔面の内部構造物の変化を捉えることができた。
 

図1 胎児の解剖所見
図2 教育講演の様子

 
続きは「RadFan」1月号(2014年12月末日発売)にてご高覧ください。

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