「大腸CT勉強会見聞記」

2014.08.06

2014年7月12日に奈良県、ホテル日航奈良で開催された大腸CT勉強会参加レポートを、
彩都友紘会病院医療技術部福西康修先生にご執筆頂きました!

「大腸CT勉強会見聞記」
彩都友紘会病院医療技術部
福西康修

はじめに
当院で大腸CTを開始して約1年、より大腸CTについての見聞を深めることを目的に、ホテル日航奈良において7月12日に開催された「大腸CT勉強会」に参加させて頂きました。まだまだ普及が進んでいない状況下である大腸CTの普及に早くから取り組まれている先生方の大腸CTに対する熱い情熱を感じ、さらに肝とも言えるような情報を聞かせて頂くことで、凝縮した時間を過ごすことができた研究会でした。単に「大腸CT」をやみくもに普及させようと言うのではなく、その利点と欠点を知り的確な使用をすべきという当たり前のことですがつい忘れがちなことを私に気づかせてくれました。またその地道な努力の一環としてのハンズオントレーニング開催もすばらしい事だと思いました。

大腸CT導入計画について
彩都友紘会病院は大阪府認可のがん拠点病院です。しかしながら、主ながん死亡率において男性で3位、女性で1位ともなる「大腸がん」を対象とする画像診断は、注腸検査がかつてなされていましたが数年前に実施可能な技師・医師が不在となり、今や大腸ファイバーのみといった状況でした。画像診断部門としてはその領域において活躍の場がない中、一昨年前の夏にとある研究会で国立がんセンターの飯沼先生がご講演された大腸CTのお話しを聴講させて頂く機会があり、これを機に大腸CT導入計画をスタートしました。
ワークステーションや二酸化炭素ガス送気装置購入のハードルは当然のことながら、検査食等に関する薬剤部との打ち合わせ、外来・病棟看護師への説明、マスタ作成、検査オーダと検査食オーダ、予約票・説明書・問診票・案内等の数々の書類など検査を開始するまでにも沢山の細かな準備が必要でした。そしてなによりも放射線科医、内視鏡医、その他すべての医師に関心と理解を得ることのハードルは高く、導入後約1年が経過する現在もそのハードルを完全に越えたとは言い切れません。
当院で約1年前にやっとの思いでスタートを切った大腸CTは現在、院内からの依頼、院外からの依頼、人間ドックの3つの窓口を設け検査を行っています。とはいっても件数はまだまだ少なくどちらかというと大腸CTに飢えている状況ともいえます。日々、その成否に心揺さぶられ、また医師からの批判めいた言葉を聞きながら、今、過去の記憶が思い起こされています。

続きは「RadFan」9月号(2014年8月末日発売)にてご高覧ください。
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