APCCVIR見聞記

2014.05.30

2014年5月15~18日の4日間にシンガポールで開催された、APCCVIR2014の参加レポートを、静岡県立静岡がんセンターIVR科の新槇 剛先生にご執筆頂きました!
APCCVIR見聞記

静岡県立静岡がんセンターIVR科
新槇 剛

 2014年5月15日から5月18日までAPCCVIRに参加した。
 日本からの参加者は多く、見知った顔の先生方も少なくとも数十人。学会の規模としては1200人程度の参加者(学会2日目まで)とのこと。当初600人前後を見込んでいたとのことで、開催者は安堵しているようであった。会場はSingapore General Hospitalの一角にあるAcademiaという施設。セッションの会場としては6会場。日本の公的病院でこれだけの人数を収容できる建物を持つ施設は聞いたことがないし、また仮にあっても昨今のご時世ではスポンサーの問題などから開催も難しいかもしれない。またシンガポールは、外は非常に蒸し暑いが屋内は非常に冷房が効いており、当地を訪れる際には気をつけた方が良い(上着を1枚持って歩くのがBetter)。以下、学会参加の印象を記す。

ポスター
 ポスターとはいってもE-Posterなので、会場はモニターが並んでいるだけ、ちょっとした軽食とCoffeeあり(ミートパイが秀逸で、スパイシーでおいしかった)。聞くと当地では日に何度もCoffee Breakを取るそうで、気をつけないとどんどん太ると教えてもらった。モニターは10台+一部採点対象者用のプレゼンテーション用モニター2台。事前にPDFに直した1枚スライドでの提出を、サイズ指定で要求されたのだが、これはモニターの規格に合わせるためであったようだ。Fontも最低の大きさが指定されていたが、一部にかなり小さなFontを使用している発表があり、またなぜかPDFにもかかわらず文字がにじむ・重なるといったことが生じていた。日本からは阿知波先生が受賞されていた(おめでとうございます)。

Case Based Discussion
 今回二つのCase Based Discussion (Ablationと門脈圧亢進症)に参加。Ablationのセッションでは、肝悪性腫瘍、肺悪性腫瘍、そして三重大学の山門先生が副腎腫瘍に対するAblationについてお話をされた。個人的には山門先生の、それも「動物実験での所見として、正常副腎をAblationすると派手にVital Signの変動が生じる」点と、「転移を含め、ヒトの副腎腫瘍に対するHeat Ablationでは多くの場合Ca-Blockerで対応可能」という点に興味がそそられた。副腎転移を焼いたことはあるし、そのとき血圧の変動は軽微であったけれども、副腎のAblationはどうしても気が張る。
 肺のラジオ波では、両肺であっても5結節までは1セッションで焼灼するとのGillams先生(UK)の発表。「気胸はどうする?」の素朴な疑問の答えは「気胸になったらドレナージ入れて脱気しながら続ける」。僕もまだまだ常識にとらわれていると反省。
 門脈圧亢進症のセッションでは、特にTIPSの話題。Ziv Haskal先生を始め、他の演者の先生方が、それぞれやりとりをしながら「ああでもない、こうでもない」とDiscussion。その様子は、他の学会ではあまり見られないように感じられた。

Biliary Intervention
 Biliary Interventionでは、特に総胆管結石の対応、「バスケットカテーテルによる破砕」「バルーンによる乳頭拡張」「洗い流し、あるいはバルーンを用いた結石の十二指腸内への押し出し」が、きれいな絵で紹介され、印象的であった。小生がんセンター勤務のため、総胆管結石などの良性疾患を扱うことはそもそもまれなのであるが、この病院では外科医は腹腔鏡下に胆嚢を取るだけで、後は内視鏡医かIVRistの仕事と仰っていた。
 またPTBDの際の胆道出血に対して「穿刺部からカテーテル入れて止血が出来る」と悪性胆道狭窄の担当の先生が述べられていた。かつて愛知県がんセンターが日本で発表し、小生がGESTで発表したことではあるが、のんびりしていると追い越される。やや焦燥感を持った次第である。

続きは「RadFan」7月号(2014年6月末日発売)にてご高覧ください。

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