[ECR2013 Expert’s On-site Report]ECR2013見聞記:辻岡勝美(藤田保健衛生大学)

2013.03.09

辻岡勝美先生(藤田保健衛生大学)より、CT関連のECR最新トピックスを春のウイーンからお届け頂きました!
 
 

会場のオーストリア・センター。となりにはIAEAの本部があります
会場内の様子。会場は狭くて三角形、人が多くて移動が大変、迷子になります
Satellite Symposium(Studio2013)の様子。満席です
開会式のmusic performance
ウィーン名物、シュニッツェル。「わらじ」というより「座布団とんかつ」
ECR2013見聞記

辻岡勝美(藤田保健衛生大学)
 
 
 今年も3月上旬、ECR(European Congress of Radiology)が開催されています。日程は3月7日(木)~11日(月)、会場は例年どおりオーストリアのウィーンです。ECRにはここ数年参加していますが、今年は暖冬です。日本が雪害、吹雪で大変だというのに、ウィーンの街には暖かく雪もありません。学会会場に向かう格好もマフラー、手袋なしです。
 せっかくECRに来ていますので、私の専門のCTのみになりますが、現地レポートをさせていただきます。
 初日の一番初めに参加したのはSatellite SymposiumでSiemens Healthcareがサポートするランチョンでした。会場はStudio2013という特設会場で満席でした。その内容は、3D automated breast ultrasound、Grid-less mammography、Tomosynthesis、Pathologistからの報告、というものでした。CTやMRIの報告はなかったのですが、現状のBreast imagingを知るうえで役に立つ内容でした。
 次の参加したのはPhysics in Radiology:Innovations in CT technology and data processingという口述発表のセッションでした。RSNAではCT physicsでも多くのセッションがあるのですが、ECRは臨床系の発表と教育セッション、シンポジウムが多く、CT physicsはこれがメインになります。演題数は9演題、最初の3つ(1)~(3)がSiemensのStella detector関連の発表、(4)がFBPと各社の逐次近似再構成の比較、(5)がSiemensの逐次近似再構成SAFIREに関する発表、(6)がフィルム(XR-QA2)によるCTDI測定、そして、(7)でまたSiemensでFBPとIRIS、SAFIREの比較、(8)がAECの発表、最後の(9)が3D分解能の発表でした。感想として、「Siemens多すぎ」「逐次近似再構成でもNPSの評価はしていない」(6)はちょっと面白かった。(9)は以前に小生がやった方法と同じ、という感じでしたが、久しぶり(RSNAから3ヶ月ぶり)の国際セッションで楽しく聞くことが出来ました。
 本日の最後に参加したのはpost graduate educational program:RC305「Computer applications」というものでした。そこでは4つの発表があり、最初がハイテク手術室、次が遠隔診断ネットワーク、3つ目がCT画像を用いたCTナビゲーション、最後が画像データのsharingの演題でした。小生としてはCTナビゲーションが技術的に一番興味深い内容でした。
 ECRで面白いのが開会式(Opening ceremony)、初日の一番最後にあることです。開会式ではmusic performanceが見られます。そこまで会場にいると時刻は午後7時半、開会式会場以外はガラガラです。
 さて、こんな感じでECRの初日が終わりました。その後は藤田保健衛生大学の放射線科医の服部先生とウィーン名物のシュニッツェル(薄くて大きいトンカツ)を食べて、現地のカフェに行って一日が終わりです。ECRの様子、少しですがわかってもらえたでしょうか。