第24回日本高精度放射線外部照射研究会見聞録

2012.02.29
会場の様子01
会場の様子02
会場の様子03
第24回日本高精度放射線外部照射研究会見聞録

放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院治療課
若月 優

 第24回日本高精度放射線外部照射研究会が「高精度外部放射線治療と高精度画像との融合」のテーマで、2012年2月4日にパシフィコ横浜会議センターで開催され、参加してきた。筆者は2009年から2011年春までアメリカに留学していたことや、留学前は主に小線源治療を中心に行っていたこともあり、7、8年ぶりの参加となった。特に今回は大会の当番世話人である早川和重先生並びに諸先生方のご厚意もあり、若輩の身でありながら初めてシンポジストとして発表する機会をいただき、大変緊張して研究会当日を迎えることとなった。高精度放射線外部照射研究会へは久しぶりの参加であったが、近年の放射線治療装置の発達に伴い、高精度治療専用装置が増えてきていることもあってか、非常に多くの医師・診療放射線技師・物理士が参加しており、盛況な会となっていた。学会場は大きく口演のセッションとポスターのセッションに分かれており、いずれの会場も多くの人があふれていた。
 まず口演会場では今回のテーマに沿った形の教育講演として「分子イメージングの現状と展望」の題で、北里大学放射線科学の井上優介先生がFDG、アミノ酸製剤等を用いた分子イメージングの現状と問題点、そして今後の展望についての講演があった。筆者は残念ながら直後に行われたシンポジウムの打ち合わせのため大部分を拝聴することが出来なかったが、参加した先生の話では、基礎から応用、将来に向けてといった感じで、分子イメージングの将来性を期待させる非常に有意義な講演であったとのことである。
 教育講演に引き続き、シンポジウム①として、「分子イメージングを用いた高精度放射線治療」のテーマで筆者も含めた4人のシンポジストによって、18F-FDG、18F-MISO、11C-Methionine、62Cu-ATSMなどのPETトレーサーを用いたPET検査の放射線治療の応用に関する発表・討論がなされた。筆者は主に低酸素マーカーである62Cu-ATSMの放射線治療計画への応用のために基礎実験・臨床実験のデータをもとに報告を行った。これらのPETトレーサーは、腫瘍の存在部位・範囲を示す18F-FDG、11C-Methionineと腫瘍内の低酸素領域を示す18F-MISO、62Cu-ATSMに大きく分けられる。特に18F-FDG-PETは近年広く治療計画の現場でも使われるようになっており、近畿大学の西村恭昌先生からは、少なくとも頭頚部領域に関しては、全症例でPET/CTシミュレーションを行っており、必須であるとのご意見であった。また大船中央病院の武田篤也先生からは18F-FDG-PETの局所再発のbiomarkerとしての有用性、再発診断としての有用性が示された。また新たなアミノ酸製剤として期待される11C-Methionine-PETに関して、北海道大学の鬼丸先生より、11C-Methionineの正常脳への集積が少ないことを活かした、照射後の再発・脳壊死の鑑別に関する研究が報告され、新たなPETトレーサーとしての有用性が期待される内容であった。

※続きは「RadFan2012年4月号」(2012年3月下旬発売)にてご高覧ください。

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