インテュイティブサージカル、日本初のシングルポートの内視鏡手術支援ロボットとなる「ダビンチSPサージカルシステム (販売名: da Vinci SP サージカルシステム)」の販売を開始

2023.02.15

 インテュイティブサージカル合同会社は、2023年1月31日に製品発表会を開催した。

 同会では、同日付けで販売開始したダビンチサージカルシステムの最新モデル、日本初のシングルポートの内視鏡手術支援ロボットとなる「ダビンチSPサージカルシステム(販売名: da Vinci SP サージカルシステム)」などの製品紹介や、インテュイティブサージカルの事業戦略および製品開発へのアプローチ等について説明を行った。

ダビンチSPサージカルシステム(販売名: da Vinci SP サージカルシステム)

 「ダビンチSP」はアーム1本のシングルポートシステムで、ダビンチサージカルシステムのコアテクノロジーはそのままに、アクセスに制限のある術野にアプローチできるよう設計。従来のマルチポートシステム同様、3つのコンポーネントから成り、執刀医は、患者と同じ手術室内のコンソールからアームを操作して手術を行う。

 「ダビンチSP」では、体表の切開創が最少「1つ」になることで、内視鏡下手術に伴う低侵襲化、また、体腔内の狭い術野へのアクセスが可能となる。

 続いて竹政伊知朗先生(札幌医科大学)は「医師になって30年経ったが外科は減っているのが現状だ。消化器外科医も減少している。特に若者が顕著で、女性医師は、世界的に見ても日本は極端に少ないのも特徴だろう。女性外科医は、男性と同等の能力だが、女性はキャリア形成のフォローが必要になり、日本はこれができないから増えていかないのが問題点である。ソサエティ5.0は、スマート社会と言われ、それぞれ個人の情報を統合して診るというものだ。外科でも、5.0となるとロボット手術になっていく。2035年になると日本でも、ロボット手術の市場は8,000億円(2020年の1.7倍)になると予想されている。ロボット手術は、日本でもCOVID-19の影響を受けず増えている。ロボットは、人間が出来ない繊細な手術が可能だ。直腸がんの手術は困難であり、繊細さが求められる。ロボット手術は、出血がほとんどない(普通は1,000ccにも及ぶ)。腹腔鏡手術に比べて明確に安全で優れた手術であり、手術時間を2時間も短縮できる。問題点は、オペレータが足りないところだが、レギュレーションを変えて、若者にも門戸を開いたので外科医不足の問題も改善していくだろう」と期待を込めて語った。

竹政伊知朗先生(札幌医科大学医学部 消化器・総合、乳腺内分泌外科科学講座)