東和ハイシステム、日立が協創業界初となるAI音声認識対応歯科医院向け電子カルテの販売開始~歯科医院内業務 DX の実現~

2023.02.07

 東和ハイシステム株式会社(以下、東和ハイシステム)と株式会社日立製作所(以下、日立)は、2022年2 月 15 日に音声認識対応の歯科医院向け電子カルテシステムの協創開始を発表して製品開発を推進、このたび、東和ハイシステムより業界初*1 となる AI・音声電子カルテ統合システム 「Hi Dental Spirit AIVoice」の販売を 3 月上旬から開始する。

 本システムは、東和ハイシステムの歯科医院向け電子カルテシステムと日立の AI 音声認識技術*2 および「Recware」*3 の音声テキスト化機能を連携・融合することで、歯科医が診療中に手袋を外さず音声だけで 電子カルテを作成・操作することを実現する。また、スマートグラス*4 を装着することで、視線を少し動かすだけで 120 インチサイズ相当の大画面を通じて電子カルテの内容確認が可能となる。例えば、歯周病検査においては、歯科衛生士が検査をしながら音声入力で検査結果を記録できるようになり、これまで 2 人で行っていた歯周病検査が 1 人で行うことが可能となる。さらに患者との会話の記録も音声データで電子カルテに保存が可能となる。

 歯科業界において、音声による電子カルテ入力や画面操作は業界初となり、歯科医、歯科衛生士の業務が大幅に効率化され、短縮した業務時間を患者とのコミュニケーションに費やすことで患者の満足度向上に繋げ、院内業務の DX(デジタルトランスフォーメーション)実現を支援する。

*1 歯科業界において音声でのカルテ操作・入力機能が備わった製品販売は初である。(東和ハイシステム調べ)
*2 「デジタル対話サービス」として提供している技術
デジタル対話サービス Web サイト URL: https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/service/bot/
*3 株式会社日立情報通信エンジニアリングの音声活用ソリューション。発話の音声をリアルタイムでテキスト化する機能を提供
*4 スマートグラスはメガネの形をしたウェアラブルデバイス。レンズの向こうに iPad やモニターの画面を 120 インチサイズ相当で投影できる

2人で行っていた歯周病検査が音声入力とスマートグラスにより1人で実現

取り組みの背景

 東和ハイシステムは、歯科電子カルテ統合システムの開発・販売・サポートを手掛け、西日本を中心にこれまで約 3,100 の歯科医院にシステムを導入してきた。日立の「HiRDB」*5や生体認証指静脈を搭載した歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」にプログラム自動配信などリモートサポートができる日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」*6 を採用し、歯科医院での受付から診療、会計までの一連の業務プロセス、データの安全安心な運用を支援してきた。そして、歯科医療の更なる高度化に向けた DX のニーズを受け、日立 AI 音声認識技術を活用するとともに金融分野の大規模コールセンターなどで音声テキスト化の高信頼な技術と実績を有する、日立の「Recware」を採用して協創を開始した。2022 年 3 月には「日本デンタルショー」で日立 AI 音声認識技術を適用したプロトタイプのデモを紹介し、多くの歯科医より大反響をいただいた。そして、同年 6 月より歯科医院でのモニター検証を開始し、さまざまな要望をもとに、より使い勝手の良いシステムへ改良を重ね、機能強化を図ってきた。


*5 金融、公共、交通など社会インフラを支える高信頼ノンストップデータベース
*6 オンプレミスからクラウドまで複雑化・多様化する IT システムを統合管理するソフトウェア

開発内容および今後の展望

 「Hi Dental Spirit AI-Voice」は、日立 AI 音声認識技術により、診療結果や発話を認識・テキスト化し、東和ハイシステムの歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」と連携させることで、電子カルテの音声入力を実現した。歯科医院の現場での実証を積み重ねて得たナレッジを生かして製品化に取り組んだ。納品後に AI・音声電子カルテを使いこなせることや、従来は2人で行う歯周病検査が1人でできることなど、現場のニーズを取り入れた機能を備えている。
 今後は、歯科医院の現場データを安全に分析・活用できるクラウドサービスとして本システムを発展させ、日立のデータから価値を生み出す Lumada*7 事業との連携を推進することで、歯科医療における診療の高度化や患者の満足度向上への貢献を目指す。

*7 お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称

東和ハイシステムについて

 東和ハイシステムは、歯科医院向け電子カルテシステムに特化した研究開発、営業、サポートを行う製販一体のオンリーワン企業である。1978 年、『売上なくして経営なし 利益なくして事業なし 人生もロマン経営もロマン 無限の可能性に挑戦』を経営理念に、また、「サポートなくして販売なし」「お客様の笑顔、お客様の満足が私たちの喜び」「顔が見え、心が触れ合う」を事業理念に掲げ、歯科医療に夢と未来を提供したいとの強い思いから創業を開始した。そして、お客様に安心してサポートサービスを受けていただくために地域密着の緻密なサポートを実践した。
 2022 年 9 月期売上高は 22 億円、経常利益は 475 百万円(経常利益率 21.4%)、自己資本比率は 88.7%、西日本を中心に 23 拠点、約 100 名の人財で営業サポートを行っている。
 詳しくは、東和ハイシステムのウェブサイト(https://www.towa-hi-sys.co.jp/)を閲覧。

<Hi Dental Spirit XR-10i」および「Hi Dental Spirit AI-Voice」について>

 東和ハイシステムの主力商品である歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」は、厚生労働省のガイドライン(「電子カルテ三原則」真正性・見読性・保存性)に対応、「生体認証指静脈」を採用することで真正性を確保、高信頼セキュアデータベース「HiRDB」を採用することで監査証跡機能による情
報漏えい、データ改竄を排除したカルテ機能と iPad を用いたインフォームドコンセント機能*8、レセプト機能*9を統合し、これらを一元管理できるシステムである。このシステムと、クラウドを活用した「オンライン診療システム~スマホで始まり、スマホで終わる~ 」を結合することで創り出された東和ハイシステム独自の世界観『It’s Hi Dental World』に、日立 AI 音声認識技術「Recware」の音声テキスト化で命と魂を吹き込んだシステムが、AI・音声電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit AI-Voice」。これにより、歯科業界にとって永年の夢であった DX 実現が可能となる。


*8 「医師と患者との十分な情報を得た上での合意」を意味する概念
*9 患者の自己負担分以外の費用をこれらの公的機関に請求するための明細書

HiRDB に蓄積された 20 万件以上のマスタを活用し音声入力を実現

日立製作所について

 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進。金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決する。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざす。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁している。
 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)を閲覧。

お問い合わせ先

東和ハイシステム株式会社 お問い合わせフォーム
医療従事者の 方:https://www.towa-hi-sys.co.jp/inquiry_medical
その他事業の方:https://www.towa-hi-sys.co.jp/inquiry_other
株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 デジタルエンジニアリング事業部
お問い合わせフォーム:http://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/