キヤノンメディカル、AI技術を設計段階で活用しX線画像のノイズを従来処理比で最大50%低減
CXDIのノイズ低減処理ソフトウェア「Intelligent NR」を発売

2022.09.15

 キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社︓栃木県大田原市 代表取締役社長︓瀧口 登志夫)は、ディープラーニングを用いて新たに設計されたノイズ低減処理ソフトウェア「Intelligent NR(インテリジェント エヌアール)」の販売を本日より開始します。本ソフトウェアは、キヤノン製デジタルラジオグラフィ(DR)のハイエンドモデル CXDI-410C Wireless、CXDI-710C Wireless、CXDI-810C Wirelessのオプション機能として提供されます。

 Intelligent NRは、AI技術の一つであるディープニューラルネットワークを用いて構築したX線画像向けのノイズ低減アルゴリズムをCXDIのノイズ低減処理に適用したものです。
 教師データにキヤノンが長年にわたり蓄積してきた「CXDI」シリーズの臨床画像から厳選したX線画像を用いることで、さまざまな撮影部位におけるノイズの特徴を学習し、従来ノイズ低減処理(以下、従来NR処理)と比較して最大約50%※1のノイズ低減を実現しました。
 従来NR処理と異なり、Intelligent NRでは、被写体の構造にあたるシグナル成分はそのままに、ノイズ成分のみを低減できる点が大きな特徴です。

CXDI-810C/-710C/-410C Wireless

 当社の一般X線撮影装置「RADREXシリーズ」 との組み合わせにより、低線量撮影においてもノイズの少ない診断画像の提供が可能となるため、患者さんの検査負担を低減します。

RADREX シリーズ

被写体別のノイズ低減イメージ

 同一線量で撮影した臨床画像を比較すると、従来NR 処理像に対し、Intelligent NR 像はノイズが低減し、被写体の構造(骨、カテーテル等)の視認性が向上していることが確認できます。
 Intelligent NR を適用することで診断能の向上、あるいは低線量撮影の可能性が期待できます。

X線撮影装置の性能評価用器具 撮影時のノイズ低減イメージ

 Intelligent NR 処理では、被写体の構造にあたるシグナル成分はそのままに、ノイズ成分のみを低減しています。

 本システムはAI技術の一つであるディープラーニングを設計段階で用いた技術。本システム自体に自己学習機能は有していない。
※1従来のノイズ低減処理アルゴリズム適用後のノイズ量と比較した場合。

【キヤノンメディカルシステムズについて】
 キヤノンメディカルシステムズ株式会社は、疾病の早期診断、早期治療のためCT、MRI、超音波診断装置、X 線診断装置などの画像診断装置や体外診断装置、ヘルスケアIT ソリューションを開発、製造し、世界150 以上の国や地域に提供しています。当社の経営スローガンである「Made for Life」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)のもと、病院経営に貢献し、患者さんに優しい医療システム・サービスをお届けし、これからも変わらず医療に貢献してまいります。
キヤノンメディカルシステムズ株式会社 ホームページ︓https://jp.medical.canon/
【地球環境への取り組み】
 キヤノンメディカルシステムズ株式会社は、より良い地球環境の実現のため、開発、調達、製造、販売、サービス、廃棄段階まで一貫して環境への影響に配慮した医療機器・システムを提供しています。地球温暖化防止をはじめとし、医療放射線被ばくの低減、資源有効活用、化学物質の管理など推進し、地球との共生や豊かな価値の創造のために環境保全に取り組みます。
キヤノンメディカルシステムズ株式会社 環境活動︓https://jp.medical.canon/about/sustainability/report05.html


RADREX、Made for Life はキヤノンメディカルシステムズ(株)の商標です。