東大医科研ヒトゲノム解析センター、コロナ対策など 全ゲノム解析の高速化に 向け 解析基盤を強化

2021.02.26

国立大学法人東京大学医科学研究所(以下、東大医科研)ヒトゲノム解析センター は、全ゲノムシークエンスデータ解析の大幅な高速化のため、㈱日立製作所(以下、日立 )とエヌビディア合同会社(以下 、 NVIDIA )の協力のもと、最新型のヒトゲノム解析用スーパーコンピュータシステムSHIROKANE (以下、 SHIROKANE)に、従来の約 40 倍の高速化を可能とするゲノムデータ解析ソフトウェア NVIDIA Clara™ Parabricks(以下 、 Parabricks)を全面導入する。これにより、2021 年3月1日の稼働開始後はSHIROKANE環境下において、Parabricksによる処理容量が約 6 倍 となり、さらなる全ゲノム解析の高速化が期待できる。
SHIROKANEの学術機関・民間機関の利活用を大きく推進し、全ゲノムシークエンスに基づく、がんゲノム医療やコロナ研究など、産官学民の英知を結集し推進するべき喫緊の課題への取り組みを強力に後押しし、複数のユーザ ー で同時に解析可能な基盤 設計のため、個々の ユーザ ーの利用環境に合わせたサービスの提供を実現する。本システムは、3月1日から運用を開始し、4月1日にユーザーへの提供を開始する。
東大医科研ヒトゲノム解析センターでは、今回、 GPU サーバ (DGX A100)を新たに増設するとともに、さらに、全 88 基のGPU サーバにParabricksを搭載し、一般的なCPU環境で1サンプル当たり20時間以上を要する計算処理を30分以内で完結できる、解析基盤の強化を実現した 。この全面導入にあたり、日立は、既存システムとの連携を考慮し、SHIROKANEの一部として最大性能が発揮できるよう構成の最適化を行った。