CSLベーリング遺伝子組換え血液凝固第IX因子アルブミン融合タンパク質製剤 血友病B治療薬イデルビオン® 用法・用量の一部変更承認取得

2020.08.24

 CSLベーリング(株)は、2020年8月21日、遺伝子組換え血液凝固第IX因子アルブミン融合タンパク質製剤血友病B治療薬「イデルビオン®」におきまして、投与間隔を21日に延長する用法及び用量の一部変更承認を取得したことをお知らせする。
 イデルビオン®は、独自技術により、半減期の長いアルブミンと融合させることで、体内での血液凝固第IX因子活性を持続させることに成功した製剤であり、14日間の投与間隔で平均トラフ値12%という値を維持し、自然出血(AsBR)および関節出血の年間回数(中央値)をともに0に抑える効果が臨床試験により示されている。この出血予防効果により、患者さんの頻回な注射による負担の軽減や関節障害の予防・改善が期待され、新たな治療選択肢として2016年11月に日本で発売された。さらに2019年12月より、新たな剤型の3500単位が発売されている。
 今般、血友病B患者を対象とした国際共同第Ⅲb相試験(3003試験)において、75IU/kgを14日に1回投与し、6ヵ月以上状態が安定している12歳以上の患者における100IU/kgを21日に1回で投与する用法・用量の有効性及び安全性が示されたことから、用法・用量として、100IU/kgの21日に1回投与の用法・用量の変更について承認を取得した。
「イデルビオン®の21日間隔投与が承認されたことにより、7日間隔、14日間隔、21日間隔の投与が可能となり、患者さん個々の状態やライフスタイルに応じて、より柔軟な治療選択肢を提供できるようになった。幅広い投与オプションにより、患者さんの治療負担が少しでも軽減され、より充実した生活の実現につながることを期待している。」とモランジュは述べる。
CSLベーリングは患者さんやご家族の生活の質の向上や、社会における血友病などの出血性疾患の患者さんに対する理解の深まりに寄与することを目指していく。

血友病Bについて
 血友病B(血液凝固第IX因子欠乏症)は、遺伝性の出血性疾患で、血液凝固第IX因子の欠乏または機能低下のため止血に時間がかかり、関節、筋肉、または内臓での自然出血といった症状等がみられる。血友病Bはほとんどが男性にみられる疾患で、国内の統計では男性10万人に対し1~2人の割合で発病し、患者数は約1000名1。血友病の治療は、定期的に製剤を投与することで血液凝固因子の活性を維持して出血を未然に防ぐ定期補充療法が一般的に行われている。

国際共同第Ⅲb相試験(3003試験)について
 多施設共同非盲検試験として重症の血友病Bの患者83例(日本人9例)を対象に実施された。(実施期間:2014年2月~2018年6月)
1 令和元年血液凝固異常症全国調査報告書(2020年3月)

●お問い合わせ
CSLベーリング株式会社
URL https://www.cslbehring.co.jp/