インテグラル、仏Echosens社製の肝硬度測定装置「フィブロスキャン430ミニ」で肝臓の脂肪量評価を目的とした一部変更承認を取得~増加する脂肪肝患者と、その他肝疾患における肝脂肪量の評価へ期待~

2019.08.19

 株式会社インテグラル(本社:東京都品川区)は、仏Echosens(エコセンス)社製肝硬度測定装置「フィブロスキャン430ミニ(FibroScan 430 Mini)」(商品名:フィブロスキャン430プレミエ(FibroScan430 Premier))の一部変更承認を、2019年8月2日付で取得した。今回の承認により、既に販売されている「フィブロスキャン530コンパクト(FibroScan530Compact)」と同じく、同機器で得られる超音波減衰量のパラメーターであるCAP(Controlled Attenuation Parameter)が肝臓の脂肪量の評価に使用できるとされた。


 肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積されている「脂肪肝」は、従来では特に飲酒習慣のある人がなりやすいとされてきた。しかし、近年、我が国では肥満人口・糖尿病患者の増加に伴い、飲酒ではなく食べ過ぎや運動不足を原因とする非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者数が増加する傾向にある。NAFLDは自覚症状もなく、見た目ではわからないため隠れ脂肪肝と呼ばれることもあるが、一部では悪性の非アルコール脂肪肝炎(NASH)を発症することが知られており、さらに肝硬変、肝がんへと進展する可能性もある。さらに最近の研究では、脂肪肝になると胃がんや大腸がんのリスクが高まるとする報告や、ウイルス性肝炎では、肝脂肪化が薬剤の効果や線維化の進行に影響するとの報告もあるが、肝脂肪の評価については肝生検以外では確立された手法がない。今回の承認によりNAFLDの早期診断、慢性肝炎の病態把握、病態の進行予防、治療可否の検討、治療効果の判定などへのフィブロスキャンによるCAPの活用が期待される。

●「フィブロスキャン」について
 フィブロスキャンは、肝線維化に関連する肝臓の硬さと肝脂肪量に関連する超音波の減衰量を非侵襲に測定する装置である。関連論文は現在、2,160報を超え、それら豊富なエビデンスをベースに世界の様々なガイドラインで参照され、製薬治験のプロトコルにもしばしば採用されている。現在、世界およそ80カ国で、肝硬変、肝癌などに至る肝臓疾患の診断、治療の効果判定、予後のモニタリングや疾患進行の早期診断、予防など、肝臓の病態評価の目的で使用されている。


 検査はわき腹にあてたプローブから振動と超音波を伝えることで、無痛で、簡単に終了する。現行機種は、患者情報を入力してから検査を終えるまで数分程度*であり、ワークフローの簡便さもフィブロスキャン検査の利点である。医師、技師だけでなく、看護師も含む医療従事者であれば、1時間半程度の検査トレーニングを受講することで、特別な知識・経験を必要とせずに検査を行うことが出来る。(*検査状況や患者体型などの諸条件により前後するが、約1分~5分の検査。)

●お問い合わせ
株式会社インテグラル フィブロスキャン事業部
TEL 03-6417-0810 FAX 03-6417-0853
URL:https://www.fibroscan.jp/