富士フイルム、高い挿入性と処置性能の向上により、内視鏡治療の時間短縮に貢献する十二指腸用処置スコープ「ED-580T」発売~手元の力をスコープ先端まで効率よく伝え、医師の手技をサポート~

2018.05.10

 富士フイルム㈱は、キセノン光源搭載の内視鏡システム「Advancia(アドバンシア)」用スコープのラインアップとして、高い挿入性と処置性能の向上により、胆膵疾患において効率的な内視鏡治療を実現する十二指腸用処置スコープ「ED-580T」を、6月26日より富士フイルムメディカル㈱を通じて発売する。本製品は、処置具のスムーズな交換を実現する機構などを搭載しており、医師の効率的な手技をサポートしする。
 なお、本製品は本日から5月12日までグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)で開催される「第95回 日本消化器内視鏡学会総会」に出展される。

 近年、胆管、胆のうや膵管などに発生する胆膵疾患の治療において、患者の身体的負担が少ない、低侵襲な内視鏡の使用が増えている。胆膵疾患の内視鏡診断・治療は、消化管の中でもスコープを到達させることが難しい部位の1つである十二指腸を経由して行われる。口から入れたスコープが十二指腸まで到達したら、胆管・膵管の入口である乳頭部に、処置具の挿入を補助する「ガイドワイヤー」(*1)が中に入った管(カニューラ)(*2)を挿入する。乳頭部は非常に小さく、個体差があるため、カニューラを挿入するには、医師の繊細な手技が求められる。

 今回発売する十二指腸用処置スコープ「ED-580T」は、スコープ先端の軟性部に弾発性(*3)が高い素材を採用した「高追従挿入部」を搭載することで、医師がスコープの向きを変えるために操作部をねじる際、手元の力を先端まで効率良く伝える。
 内視鏡を用いた処置は、複数種の処置具を使い分けて行われ、特に、胆膵疾患の処置では、ガイドワイヤーを起立台で押さえて、それに沿わせて処置具の交換を繰り返し行う。本製品は、処置具の角度を調整する起立台の形状・長さ・可動範囲と、スコープ内で処置具などが通る「鉗子チューブ」の素材を見直すことで、処置具のスムーズな出し入れや交換を実現している。また、起立台を最大起立位置にすると、ガイドワイヤーが押さえられ、簡単に処置具を交換することができるため、治療時間の短縮が期待できる。

 本製品の先端には、起立台があり、複雑な構造をしているが、スコープ先端に着脱式のキャップを採用し、ブラッシングしやすい仕様にすることで、洗浄性を向上させた。

 富士フイルムは、今後も独自技術を生かし、医療現場のニーズにこたえる幅広い製品・サービスの提供を通じて、さらなる診断の効率化と医療の質の向上、人々の健康の維持増進に貢献していく。

*1 胆管・膵管・消化管、そのほかの管腔(管状の構造を有する臓器)用の手技において、カテーテル、チューブ等の位置調整および移動を補助するために、一時的に使用する。

*2 胆のう、胆管、膵管等に挿入し、薬液の注入や処置具の挿入などに用いる管。

*3 挿入部を曲げた際に、挿入部が元の位置に戻ろうとする力。

1.品名
販売名:電子内視鏡 ED-580T
認証番号:230AABZX00019000

2.発売日
2018年6月26日

3.特長
(1)「高追従挿入部」の搭載により、体内への挿入性が向上
 スコープの軟性部に、高い弾発性を持つ素材を採用し、体内への挿入性が向上した。医師がスコープの向きを変えるために、操作部をねじる際に、手元の力を先端まで効率良く伝える。

(2)処置具のスムーズな交換を実現する機構などを搭載し、処置性能を向上
 処置具の角度を調整する起立台の形状・長さ・可動範囲と、スコープ内で処置具などが通る「鉗子チューブ」の素材を見直すことで、処置具のスムーズな出し入れや交換を実現した。また、起立台を最大起立位置にすると、ガイドワイヤーが押さえられ、簡単に処置具を交換することができ、検査時間の短縮が期待できる。

(3)洗浄性の向上
 本製品の先端は、起立台がある複雑な構造をしているが、スコープ先端に着脱式のキャップを採用し、ブラッシングしやすい仕様にした。

4. 主な仕様
視野方向:105°(後方斜視15°)
視野角:100°
観察範囲:4~60mm
先端部外径:13.1mm
軟性部外径:11.3mm
湾曲角:UP:120°/DOWN:90°/LEFT:90°/RIGHT:110°
有効長:1250mm
全長:1550mm
鉗子口最小径:4.2mm

●お問い合わせ
富士フイルムメディカル㈱
営業本部 マーケティング部
TEL:03-6419-8033
URL:http://fms.fujifilm.co.jp/