アボット、日本における治験で、初のPortico(TM)経カテーテル大動脈弁の植込みを発表

2017.03.23

 2017年3月23日-アボットは本日、リポジショニング可能なPorticoTM経カテーテル大動脈弁システムの日本における治験で、
最初の患者様への植込みを行ったことを発表した。この治験は、完全留置までのポジション調整可能な初の<1>大動脈弁であるPorticoTM経カテーテル大動脈弁システムを評価するものである。開心術の外科的リスクが高いか、または開心術の対象外であると考えられる患者様が、この治験の対象となり登録される。
 この治験では、症候性の重度大動脈弁狭窄症―大動脈弁の狭窄により心臓からの血液流出が著しく妨げられる疾患―の患者様を対象にPorticoTM大動脈弁システムを評価する。経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)術中に、PorticoTMはカテーテルを用いて大腿動脈またはその他の動脈からアプローチして心臓に送られる。拍動中の患者様の心臓にPorticoTM大動脈弁を留置するため、心肺機能を代替する人工心肺装置の使用が不要となる。心臓外科医と心臓カテーテル専門医によるハートチームが、患者様の評価を行う。
 本治験で初となる植込みは、3月21日に大阪大学医学部附属病院で実施された。
治験責任医師である大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科学主任教授澤芳樹先生は、「PorticoTMは、リシース、リポジショニングまたは回収を完全に行えることが大きな特徴です。これは、特にリスクの高い患者様への弁の正確な留置や合併症低減に有用です」と述べている。

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 PorticoTMの 日本における治験は、大腿動脈またはその他の動脈からアプローチするPorticoTM経カテーテル大動脈弁の安全性と有効性を評価するためデザインされた、前向き多施設無作為単一群治験である。本治験は日本国内5施設で実施される。
 アボットは、社内で培った約40年に及ぶ大動脈弁に関する経験をPorticoTMの設計に取り入れている。既に市場で実績のあるTrifectaTMのプラットフォームを基盤に開発したPorticoTMは、デリバリーシステムから解放する前に、植込み部位での完全なリシース(弁をデリバリーカテーテルに戻すプロセス)、リポジショニングまたは回収が可能な初の経カテーテル大動脈弁である。ヨーロッパでは既に4種類のサイズでCEマークを取得しており、米国においては現在、FDA承認取得に向けて治験中である。
 アボットのチーフメディカルオフィサー兼国際臨床開発部門のバイスプレジデントであるマーク・カールソン医師は、「実際に使用した経験豊富な先生方から、PorticoTMの機能について前向きな評価を頂きました。PorticoTMは、経カテーテル大動脈弁置換術を行う心臓カテーテル専門医と心臓外科医が、開心術が困難な患者様を治療することを可能にする魅力的な選択肢です」と述べている。

【経カテーテル大動脈弁PorticoTMについて】
 経カテーテル大動脈弁PorticoTMは、デリバリーシステムから解放する前に、植込み部位での完全なリシース(弁をデリバリーカテーテルに戻すプロセス)、リポジショニングまたは回収が可能である。この大動脈弁は名だたる医師達の協力を得て設計され、現世代の経カテーテル大動脈弁の限界に対処することを目指している。自己拡張型ステントにウシ心膜組織の弁尖を特徴とする PorticoTMは、弁留置時の医師のコントロールと留置精度の向上を目的として開発された。

<1> 2012年11月19日時点で、承認を取得している市場初の完全留置までのポジション調整可能な経カテーテル大動脈弁

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