フィリップス、心臓3D 自動解析を可能にした超音波診断装置ソフトウェア「HeartModelA.I.(ハートモデル)」を発売 ~3D スキャンによる心機能解析を自動で実施、高い解析精度、検査時間の短縮、解析ワークフローの改善を可能に~

2015.11.17
図1
 (株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン(以下、フィリップス)は、11月17日(火)より、超音波診断装置解析ソフトウェア「HeartModelA.I.」の販売を開始することを発表した。
 「HeartModelA.I.」は、フィリップスの超音波画像診断装置EPIQ 7に搭載が可能となる、心臓の解剖構造を自動認識する先進技術(AIUS:Anatomically Intelligent Ultrasound)を用いたソフトウェアだ。心臓の超音波画像から得られた3D データを短時間に処理し、左心室駆出率(以下、LVEF)、左心房容量(以下、LA Volume)等を自動で定量解析する。

 LVEFとLA Volumeはどちらも心臓の診断や治療方針を決める上で重要な指標であり、LVEFは僧坊弁や大動脈弁の手術適用におけるガイドラインの重要な指標として用いられます。癌の薬物治療の期間中においては、慎重にLVEFを計測することが求められてる。また、LA Volumeは急性心筋梗塞後の生存率を予測する重要な指標として利用されている。
 心腔の構造は複雑であり、3Dスキャンによる定量化が理想的と考えられている。このため、CTやMRIで得られたデータがゴールデンスタンダードとされてきた。一方、超音波検査においては、3Dデータの解析は専門的な知識が必要であり、複雑で時間がかかることから、3D での解析は普及しておらず、2Dデータからの解析が一般的とされている。
 「HeartModelA.I.」を用いることにより、従来の2Dによる解析と比べ3倍から6倍の速さで3Dでの解析結果(2015年シカゴ大学の研究による、図1参照)が得られることから、現在一般的に行われている2Dでの検査フローの中で3D解析を行うことが可能となる。また、精度はMRIによるデータと比べても同等である(2013 年シカゴ大学の研究による)とされている。
 「HeartModelA.I.」により、エキスパートが解析していた精度と再現性を持って、迅速な定量評価を臨床の場で活用することが可能となった。

 「HeartModelA.I.」の希望販売価格は、1,250万円で、国内初年度の販売台数は約100システムを見込んでいる。

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