GEヘルスケア・ジャパン、PET検査用薬剤合成装置「FASTlab」でのベータアミロイド検出用薬剤「ビザミルTM」合成機能の薬事承認を取得 ~国内初、1台で複数のPET薬剤合成が可能な合成装置が登場。アルツハイマー型認知症診断・治療薬開発治験への貢献目指す~

2015.06.01
脳内のアミロイドイメージング画像
FASTlab
 医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン㈱は、このたび、PET(陽電子放射断層撮影装置)検査で使用する放射性薬剤を自動合成する放射性医薬品合成設備「FASTlab(ファストラボ)」におけるβ(ベータ)アミロイド検出用薬剤「ビザミルTM(VIZAMYLTM、一般名:フルテメタモル)、以下”ビザミル”」の合成機能について、5月19日付で薬事承認を取得した。
 βアミロイドイメージング剤ビザミルは、アルツハイマー病(AD)や他の認知障害が疑われる成人患者の脳内でみられる老人斑と呼ばれるたんぱく質の主成分βアミロイドの沈着を可視化する薬剤である。βアミロイドの蓄積を画像化するこのアミロイドイメージングは、アルツハイマー型認知症の診断における非常に有用な情報のひとつと言われている。
 「FASTlab」の従来の機能である、主に腫瘍の診断に使用される放射性薬剤FDG(フルデオキシグルコース)の合成機能に加え、この度、ビザミルの合成機能が追加されたことで、国内で初めて、1台で複数のPET薬剤を合成することができる装置が誕生した。これにより、院内の限られたスペースおよび時間内で1日に2剤の合成が可能となり、疾病診断にPETを活用する施設において、効率的かつ複数の薬剤合成を可能にする有用なインフラとなることが期待される。GEヘルスケアでは、すでに国内外で複数の製薬企業とβアミロイドイメージングによるアルツハイマー型認知症の治療薬開発を目指した治験協力を進めている。また、GEヘルスケアと住友化学の合弁会社である日本メジフィジックス(株)では、本剤の開発も進めている。
 世界に先駆けて超高齢社会を迎えた日本では、2025年には国内の認知症患者数が700万人を超える*と推測されており、有用な診断技術の早期導入が求められている。この度のビザミル合成機能の追加は、複数のPET薬剤合成ができる唯一の装置として、がん及び認知症の診断の可能性普及に貢献する。

*出典:2015.1月厚生労働省発表「新オレンジプラン」より。

製品名: FASTlab(ファストラボ)
薬事販売名: 放射性医薬品合成設備FASTlab
発売日: 2012年4月13日
医療機器承認番号: 22300BZX00445000

○FASTlab(ファストラボ)について
 「FASTlab(ファストラボ)」は、合成用試薬がセットされたフルパッケージングカセット方式を採用することで、短時間で高効率・低被ばくなPET薬剤合成を実現する放射性医薬品合成設備である。PET検査などの際に体内投与する放射性医薬品は、薬剤のもとになる放射性同位元素を製造する加速器(サイクロトロン)と並んでPET検査に欠かせないシステムである。GEヘルスケア・ジャパンは2012年4月よりFASTlabの国内での販売を開始している。このたび薬事承認を取得したビザミルのカセットについては、2015年7月より販売開始予定である。

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