日立メディコ、中国・蘇州市に新工場を建設
医療機器市場の二極化に対応した事業構造の構築

2011.05.30

(株)日立メディコ(以下 日立メディコ)は、このたび、新興国向け製品の生産拡大に対応するため、子会社の日立医療系統(蘇州)有限公司(以下 蘇州工場)を通じて、中国・蘇州市に新工場を建設する。

[新工場完成イメージ]
1.背景
 現在、医療機器市場では先進国を中心とした高性能・上級機、新興国を中心とした低価格・普及機という二極化が進んでおり、日立メディコは、二極化に対応した事業構造の構築を進めている。
 具体的には、高性能・上級機は、主力工場の柏事業場で設計・開発・生産を行い、内作率を高め、生産リードタイムを短縮し、生産効率の向上を図っている。また、日立グループの総力を結集し、ブレイクスルーとなる新製品・新技術の開発及び新事業の開拓を推進している。
 一方、低価格・普及機は、2002年に中国・蘇州市に生産拠点を構築し、X線診断装置や超音波診断装置の普及機生産に取り組んできた。また、2008年には同工場の敷地面積を2倍に拡張し、中国製永久磁石を用いたMRI装置の生産拡大を図ってきた。

2.概要
 このたび、将来の新興国向け製品の生産拡大に対応するため、中国・蘇州市に新工場を建設することを決定した。新工場は、2011年3月に現在の工場と同じ蘇州工業園区内に130,000㎡の土地使用権を取得し、本年10月に建設着工、2012年8月に完成する予定である。
 新工場では、最新の生産設備と生産方式で生産効率を上げ、中国現地調達を主体とし、新興国向けの製品を量産する計画である。また、製造人員だけでなく、設計人員も大幅に増強し、中国を含む新興国向け製品の企画・設計も新工場で行い、研究開発に関しては、新工場の設計部門が中国国内の大学群や日立(中国)研究開発有限公司*の上海研究拠点と共同で推進していく計画である。
 さらに、新工場には、将来的に新興国向け新製品の展示施設、中国を含むアジア地域の営業員・サービス員の教育・訓練施設も併設し、「アジア開発センタ」の位置づけで運営していく計画である。

3.投資金額
今後2年をかけて工場建屋建設や生産設備投資を行うこととした。
借地権(50年使用権)   6億円
工場建設費       約19億円
その他工場設備     約5億円
なお、投資資金は日立メディコからの増資である。

4.蘇州工場の概要
(1)会社名:日立医療系統(蘇州)有限公司
(2)所在地:中国江蘇省蘇州市工業園区蘇虹西路185号
(3)設立:2002年3月
(4)資本金:87,379千人民元
(5)董事長:三木 一克
(6)総経理:田村 譲一

*:日立グループの中国における中核会社である日立(中国)有限公司が全額出資している子会社である。中国発新規事業の積極的創生、中国の研究開発力・人材の活用、中国におけるさらに広範な事業展開・研究開発の促進、日立グループ関連会社への研究開発拠点機能の提供、日立製作所の研究開発のグローバル拠点としての基盤確立を目的として、2005年に設立された。

●お問い合わせ
(株)日立メディコ
法務・コミュニケーション部
担当:吉井、貝間
電話:03-3526-8809
URL:http://www.hitachi-medical.co.jp/index.html