シーメンス・ジャパン、X線CT装置を2機種同時に発売しラインナップを拡充

2014.04.11
SOMATOM Force
低侵襲な検査を実現するデュアルX線管搭載型CT装置「SOMATOM Force」、コスト効率を追求する16スライスCT装置「SOMATOM Scope」
 
シーメンス・ジャパン(株)は、新しく開発したX線管「VECTRON」を搭載し、低侵襲CT検査(低被ばく撮影と低造影剤撮影)を実現するデュアルX線管搭載型CT装置 「SOMATOM Force(ゾマトム フォース)」と、コスト効率を追求する16スライスCT装置「SOMATOM
Scope(ゾマトム スコープ)」の2機種の販売を開始しました。ラインナップの拡充により、より多くの方々に先端のCT装置による検査を提供する。
 
SOMATOM Forceの特長
レントゲン検査と同等の被ばく線量*1で、高精細なCT検査を実現
これまでのCT検査*2と比べ、造影剤使用量を大幅に低減*3
世界最速の高速撮影*4により、息止めが不要
業界唯一、X線管2つを搭載したCT装置
 
画像診断の中でCT検査は年々適用が広がり、CTの検査数は増加している。こうした中、CT検査による被ばく線量をレントゲン検査と同等レベルにすること、また、検査目的によって明瞭な診断画像を得るために使用する造影剤の量を低減することが求められている。同社はこれまでも低侵襲なCT画像診断の実現のため様々な撮影技術や、被ばく低減のための専用アプリケーションなどを開発してきた。今回のSOMATOM Forceは、その中でもこれまでにない低侵襲なCT検査を実現。
 
低侵襲なCT検査を実現する新たなテクノロジー
照射X線量を決める要素は管電圧と管電流で、管電圧のほうがより大きく影響する。これまでのCT装置では、管電圧を低減した場合、管電流のパワーでは照射X線量が不足し、診断に必要な画質が得られなかったため、管電圧を変えずに管電流を制御することでX線量を減少させていた。SOMATOM Forceは、新開発のX線管「VECTRON」の搭載により、最大1.3A(1300mA)のハイパワーな管電流の発生が可能になったため、高画質を維持しながら低電圧での撮影を実現。通常のルーチンCT検査では120kVの管電圧を用いた検査が必要なところ、70kV~80kV程度の低電圧で検査が可能。それにより、通常の胸部CT検査で使用する被ばく線量5~30mSv程度*5に対し、SOMATOM Forceによる被ばく線量は一般的な胸部レントゲン検査と同等の0.1mSv程度となり、大幅に被ばく線量を低減した検査を行うことができる。また低電圧撮影により、造影コントラストが上昇するため*6、造影剤使用量を大幅に減らすことも可能になる。
 
SOMATOM Forceの初期稼働施設であるマンハイム大学病院(ドイツマンハイム)では、通常90mlから110mlの造影剤を用いていたCT検査を、SOMATOM Forceでは腎不全患者に対し25mlから35mlの量で検査が可能になったことが実証されている。
 
低被ばく、かつ高速撮影と高精細画像を実現
秒間70cm以上の世界最速の撮影速度を実現し、多くの部位での検査において息止めが不要になる。例えば、心臓検査は0.1秒台、胸部検査では0.5秒以下で撮影することが可能になり、広範囲を今までにない短時間で撮影が行える。またアナログ回路を排除しフルデジタル化した新型の検出器「StellarInfinity Detector」や、進化した逐次近似画像再構成法「ADMIRE(Advanced Modeled Iterative Reconstruction)」などにより、低被ばくで高精細な画像の描出が可能。
 
SOMATOM Scope
SOMATOM Scopeの特長
クラス最小の底面積*7により多様な設置スペースに対応
独自の機能によりトータルコストを削減
スリムガントリで被検者の心理的負担を低減
 
クラス最小の底面積により多様な設置スペースに対応
SOMATOM Scopeは、奥行692mmのスリムなガントリと、16スライスCTとしてはクラス最小底面積の8.0m2というコンパクトな設計を実現。従来シングルスライスCT*8を設置していたような小さな部屋にも設置が可能。
 
トータルコストを削減
消費エネルギーの削減
最大使用電力は40kVAで、従来の16スライスCTと比較して、電力消費量を約10%*9削減。
 
運用コスト削減と安定稼働を可能にする「eCockpit」
SOMATOM Scopeには運用コストの削減と装置の安定した稼働のために開発された「eCockpit」機能を搭載しています。スキャン前にウォーミングアップすることにより、X線管の負担を軽減する「eStart」、個々のスキャンに合わせて管電流やスキャン速度などのシステム稼動を最適化する「eMode」、そしてスタンバイ時にガントリ回転を停止し、消費電力を抑制する「eSleep」の3つの機能からeCockpitは構成されている。これによりX線管とシステム全体への負担を約10%*10軽減。「eCockpit」は、常に装置を最適な状態で保ちながら、より安定した検査を行うことで装置のライフタイムを長期化し運用コストを低減する。
 
スリムガントリで被検者の心理的負担を低減
ガントリがスリム化されているため、被検者への圧迫感を大幅に和らげる。
また、寝台の昇降やテーブル送りをフットスイッチひとつで操作できるため、検者は常に被検者に手を添え、安心感を与えながら検査の準備を行うことが可能。
 

*1 出典:放射線医学総合研究所 ホームページより。一般的な胸部レントゲン
検査での被ばく線量は約0.06mSvで、SOMATOM Forceの胸部撮影による被ばく線量は0.1mSv程度。
*2 同社比
*3 CT検査で使用される造影剤は非イオン性ヨード造影剤です。造影剤の低減については、上記マンハイム大学の実証例を参照
*4 2014年4月現在、自社調べ。
*5 出典:放射線医学総合研究所 ホームページより。
*6 造影コントラスト(造影効果)はヨードの質量減弱係数が高いほど高くなります。質量減弱係数は、X線のエネルギーが低下するに従って上昇するため、 低電圧での撮影の方がより造影コントラストが上昇。
*7 2014 年4月現在、同社調べ。また、室内の状況、条件等により異なる場合もある。
*8, *9, *10 いずれも同社比

 
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