島津製作所、オールインワン機能を実現した12インチ角FPD搭載血管撮影システム「Trinias」を発売
「最高画質」「優れた操作性」「安全と安心」を追及

2012.10.12

 島津製作所は、12インチ角サイズのフラットパネルディテクタ(FPD)を搭載した血管撮影システムの新製品「Trinias(トリニアス)」(天井走行タイプC12package・床置タイプF12packageの2機種)を、10月15日に発売する。
 患者のQOL(Quality of life)に対する意識の高まりなどを背景に、体にメスを入れる外科治療に比べて侵襲性が低く患者に優しい治療法として、X線透視撮影を行いながら皮膚にあけた穴からカテーテル(医療用細管)を血管に挿入して行う血管内治療(インターベンション)の件数は、年々増加している。
 同社は、全世界で300台以上のFPD搭載血管撮影装置の納入実績を有しているが、使用施設のユーザの声と医療技術の進歩に対応し、インターベンションを支援する血管撮影装置のあり方を見直したという。そして、「最高画質」「優れた操作性」「安全と安心」の3つのキーワードを実現すべく本製品を開発したとのこと。
 同社は、本製品をグローバル戦略製品として位置づけており、先進国において拡販に努める。
 また、本製品は1台で頭部・心臓・腹部・四肢まで全身をカバーできる12インチ角の新型FPDを採用したが、今後は用途に応じたFPDを搭載した装置の開発を進め、「Triniasシリーズ」のラインナップを拡充する予定。

<新製品の特長>
(1)最高画質(SCORE Imaging)

 新たに開発した画像処理エンジン「SCORE PRO」により、従来に比べてノイズを20%抑え、治療用デバイスの視認性を飛躍的に向上さた。また、SCOREは同社が独自開発した最先端のステント留置術支援ソフトウェア(ステント・ビュー)を実行することができる。これは、心臓の拍動で常に動いているステントを「固定表示」し、さらに見やすく「強調表示」することで安全で正確な治療を支援するソフトウェアである。
(2)優れた操作性(SMART Design)
 ワンアクション操作設計および世界最速の操作応答レスポンスにより、検査時間を大幅に短縮し、患者さんの負担を軽減。ベッドサイドの操作コンソールから、Cアームメカ、3Dアプリケーション、画像表示・処理などの各種操作をスピーディに行うことができる。さらに操作レバー、操作グリップなどの操作部形状や操作ボタンへの機能の割り付けを自由にカスタマイズすることができ、優れた操作性を提供する。
(3)安全と安心(SMILE Concept)
 SCORE PROをはじめ、システム全体で7つの被ばく低減機構(SMART Dose-eye)を搭載し、従来に比べて最大で40%以上の低線量化を実現し、患者さんの安全・安心に配慮。また、性能面では高い信頼性を実現するために、主要コンポーネントの多重化によるバックアップ機能を備え、製造面では2010年完成の最先端生産工場による一貫生産と徹底した品質管理で“Made in Japan”の高品質を実現した。

名称:血管撮影システム「Trinias(トリニアス)」
C12package(天井走行式)/F12package(床置式)
価格:3億円~(税別) システム構成により異なる。
販売計画:80台(発売から1年間)
【製造販売認証番号】(医療用)
224ABBZX00053000:据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置

●お問い合わせ
(株)島津製作所
医用機器事業部 グローバルマーケティング部 販売促進グループ
TEL:075-823-1271
URL:http://www.med.shimadzu.co.jp/index.html