クアルコムとMedical Platform Asia、 被災者にワイヤレス家庭血圧管理システム200台を寄贈

2012.06.11

 クアルコムジャパン(株)(代表取締役社長:クリフォード・フィッキ氏、本社:東京都港区)と(社)Medical Platform Asia(MedPA、代表理事:西山正徳氏) は、6月11日、クアルコムのWireless Reachイニシアチブの一環として、東日本大震災による被災地である岩手県の患者200名を対象に、3G対応の家庭血圧管理システムを提供することを発表した。同管理システムにより、医師は仮設住宅に住む患者の健康状態を遠隔でモニタリングでき、適切なタイミングで治療を行い、病気の重症化を防ぐことができる。

 このプロジェクトは、岩手医科大学が行っている被災地での医療活動を支援するもの。遠隔地に住む患者は専門医の診療を受けることが難しく、日常的に医師や看護師の訪問診療を受けることも困難。また、慢性的な病気を抱える患者は、仮設住宅での生活や震災によるストレスで病状が悪化することが明らかになっている。岩手医科大学ではワイヤレス家庭血圧管理システムを利用し、大槌町や陸前高田市などの被災地に住む患者に安定的な医療を提供し、継続した支援を行う。

 MedPA代表理事を務める西山正徳氏は、「MedPAは日本の家庭市場へのワイヤレス医療およびウェルネス・サービス導入と進化を支援することができ喜ばしく思います。このプロジェクトでは被災患者の状況を随時観察することができ、また3Gワイヤレス技術を活用することにより、医師が定期的に診断と治療のアドバイスを遠隔地から行うことができます」と述べている。また、クアルコムのバイス・プレジデントでクアルコムジャパン(株)代表取締役社長のクリフォード・フィッキ氏は次のように述べている。「私たちの活動が東日本大震災被災者の支援と復興にお役に立てることを光栄に思います。病院外でも適切なタイミングで治療を受けることで患者により質の高いケアを提供することができます」

 クアルコムのWireless ReachとMedPAは、2010年7月より遠隔地に住む高齢患者を中心にワイヤレス家庭血圧管理システムの提供を行ってきた。その結果、実施前に比べて、参加者の間で血圧管理の重要性の認識が5割高まるというプラスの効果が表れ、治療に積極的に参加する人が3割増加。日本の非都市圏では救急医療や高度医療が手薄になっている状況があり、医療機関へのアクセスが難しい場合があることから、政府や自治体によって、情報通信技術(ICT)を利用して、都市部と地方の医療格差を縮小するための対策は講じられつつあり、大学や民間でも、ICTを医療に応用するための取り組みが行われている。

Medical Platform Asiaについて
Medical Platform Asiaは、日本とアジアの医療分野における人的・物的交流を行うために2009年12月に設立された一般社団法人で、個人および法人からの会費で運営されている。この地域の多くの医療関係者が、一つのプラットフォームに集い、高血圧や糖尿病、がん、感染症などの疾病の予防や医療の促進に力を合わせることがアジアの人々の健康増進に大きく役立つと考えている。2010年6月には第一回アジア医療フォーラムを東京で開催。中国、韓国、インドネシア、日本の医療の現状と課題について語り合った。詳細については、下記のWebサイトを参照。
URL:http://medpa.or.jp/

クアルコムおよびWireless ReachTMイニシアチブについて
クアルコムは、3Gおよび次世代のモバイル技術へのアクセスが人々の生活向上につながるとしている。クアルコムのWireless Reachイニシアチブは、世界各地のサービスが行き届いていない地域にワイヤレス技術を導入するための戦略的プログラム。パートナーとの協力により、起業家育成、治安向上、医療・教育の充実、環境保全などに取り組むプロジェクトへの投資を行う。詳細については、下記Webサイトを参照。
URL:www.qualcomm.com/wirelessreach

●お問い合わせ
クアルコムジャパン(株)
広報担当
TEL:03-5412-8919
URL:http://www.qualcomm.co.jp/