フィリップス、PET とMRI の融合で画像診断の新世界を切り拓く初のPET/MR 装置「Ingenuity TF PET/MR」を発売

2012.04.13
新型PET/MR 装置「Ingenuity TF PET/MR」
 (株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン(本社: 東京都港区、代表取締役社長:ダニー・リスバーグ)は、4月13日より、PET(陽電子放射断層撮影)装置とMRI(磁気共鳴画像診断)装置を融合させたPET/MR装置「Ingenuity TF PET/MR」(インジェニュイティー・ティーエフ・ペット/エムアール)の販売を開始することを発表した。同装置はグローバルで開発した、同社初のPET/MR 装置となる。
 この「Ingenuity TF PET/MR」は、PET装置とMRI装置双方の最高水準の性能と画質を損なうことなく融合させた、新しいハイブリッドシステムである。PET部分はAstonish TF Time-of-Flight technology*1を搭載し、高速スキャン、ポジトロン核種投与量低減/低被ばく、高画質を実現し、MRI部分は、同社独自のMultiTransmit*2技術で3.0T 高磁場の不均一さを向上させた高性能MRI 装置「Achieva 3.0T TX」(アチーバ・3テスラ・ティーエックス)をベースとしている。
これら同社独自の最高水準の技術を搭載したPET、MRI 両装置を融合させた「Ingenuity TF PET/MR」は、いかなる患者でも安定した高画質の全身画像を提供することができる。
 また、これまでにPET/CT装置、MRI装置の開発で培ってきた最高水準の性能を、損なうことなく「Ingenuity TF PET/MR」に融合させるため、同社は高磁場下PET 装置の新たなシールド技術を開発し、一体型システムとしての操作性、検査のワークフロー、ユーザーインターフェイスを完成させた。
 「Ingenuity TF PET/MR」は、すでに欧米で全身を対象にNeurology(脳神経)、Cardiology(心臓)、Oncology(腫瘍)分野での臨床を開始している。また、従来のPET/CTに比べ低被ばくを実現しながら、MRIによる形態画像と機能画像が可能な新しい分子イメージングシステムとして、より高い診断能を引き出す研究も行われている。
 (株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン 代表取締役社長 ダニー・リスバーグは、「フィリップスとして初となるPET/MR 装置を製品ラインナップに加えることができたことを大変嬉しく思っています。今回発売した『Ingenuity TF PET/MR』は、妥協のない機能画像と機能画像が融合された、画像診断の新世界を切り拓く新しいハイブリッドシステムです。フィリップスは今後も、革新的なシステムを提案していきたいと思います」と述べている。

*1 Astonish TF Time-of-Flight technology:フィリップス独自のTime-of-Flight technology で、535 ピコ秒の時間分解能を有す
*2 MultiTransmit: プリスキャンでRF 分布を確認し、独立に制御された複数RF 送信源から被検者ごとに最適化されたRFパルスを送信するフィリップスの独自技術

●「Ingenuity TF PET/MR」の特長・メリット
・535 ピコ秒の時間分解能のAstonish TF Time-of-Flight (ToF) technology が、non-ToF Technologyに比べ30%のコントラスト向上を実現し、ポジトロン核種投与量低減/低被ばく、高速スキャン、高画質を実現。
・同社独自のMultiTransmit技術を搭載した「Achieva 3.0T TX」をベースとするMRI により、いかなる患者でもあらゆる部位で最大50cm のFOV に対し安定した高画質を提供。また、豊富な受信コイルが使用可能で、16チャンネルを標準、32チャンネルをオプション対応としている。
・MRI 形態画像を使用することでPET/CT装置のようなCTによる被ばくがなく、190cmのスキャンレンジを優れた操作性とワークフローで短時間に検査可能。

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