FRONTEOとマルホ、Drug Discovery AI Factoryを活用した 皮膚科領域における創薬標的探索に関する共創プロジェクトを開始~既知の文献情報から疾患・分子間の未知の関連性を体系的に発見する独自技術により 医薬品の研究開発を加速~

2025.07.10

 株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本正宏氏、以下「FRONTEO(フロンテオ)」)は、マルホ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:杉田 淳氏、以下「マルホ」)と、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下「DDAIF」)」を活用した皮膚科領域における創薬標的探索に関する共創プロジェクトを開始した。

創薬における課題と本プロジェクトの意義

 創薬の現場では、対象とする疾患の多様化・複雑化により、従来の研究手法では探索が難しい新規性の高い標的分子やメカニズムの発見が求められるようになっている。また、AIによるドライ研究(データ解析)と、細胞や動物を用いたウェット研究(生物学的検証)の間には、工程や知見の断絶があると言われており、研究開発のスピードおよび成功確率の向上を阻害する要因となっていた。
 こうした課題に対し、FRONTEOとマルホは、AI創薬支援サービス「DDAIF」を活用した、創薬における標的探索を目的とする共創プロジェクトを発足した。一般的な委託形態とは異なり、プロジェクト初期から両社の研究者が密に連携することに加え、「DDAIF」の活用により、新規性の高い標的分子探索や仮説生成の早期化等を通じて、最適なタイミングでウェット研究に移行させることで、研究開発スピードおよび成功確率の向上を目指す。
 本プロジェクトでは、皮膚科学に特化した製薬企業として、創業以来、薬の研究・開発や生産、情報提供活動を通して、多くの皮膚疾患に悩む患者さんに応え続けてきたマルホと、創薬とAIに精通した研究チームによるAI創薬支援サービス「DDAIF」を展開し、新規性の高い標的の発見と仮説生成に強みを持つFRONTEOが、両社の知見と技術を融合させることで、皮膚領域における創薬の効率化と成功確率の向上を図り、革新的な医薬品の創出を目指す。


FRONTEO 取締役/CTO 豊柴博義氏のコメント

 「皮膚領域に特化し、患者中心の視点に加えて、深くバイオロジーに着目して取り組むマルホ様の創薬アプローチは、FRONTEOの自然言語処理を用いた標的探索手法と技術親和性が高く、興味深い結果を導き出せるのではないかと期待しています。FRONTEOのDDAIFは、創薬研究者とAIエンジニアが一体となり、膨大な情報の中から新たな標的を探索し仮説を創り出すサービスです。アンメット・メディカル・ニーズ*を満たす革新的な医薬品の創出に向け、マルホ様と共創できることを心より嬉しく思います」

FRONTEOの共創プロジェクトについて

 一般的なAIを活用した創薬ソリューションにおいては、ドライ研究(データ解析)とウェット研究(細胞、動物などを用いた生物学的試験)を担当する会社間の積極的な意見交換および機微な情報連携などが行われないままドライ研究の成果物が提出されることも多く、円滑にウェット検証に移行できない要因の一つとなっている。
 共創プロジェクトは、このドライからウェットへと進める重要なプロセスにおいて、FRONTEOとクライアント企業の創薬研究者が垣根を越えて密に連携(共創)することで、両社が保有する知識や技術を取り入れ、その相乗効果を最大限に発揮した成果物の創出を目指す。
 この取り組みは、現在複数の製薬会社と協議を進めている同様のプロジェクトにおいても、クライアントの医薬品開発における成功率向上に大きく寄与するものと期待される。


お問い合わせ先

株式会社FRONTEO ライフサイエンスAI事業本部
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