メディカル・エキスパート「CT motion Webinar」を開催

2022.04.12

メディカル・エキスパート株式会社は、2022年4月2日(土)に「第2回 CT motion Webinar」(座長:寺澤和晶氏 さいたま赤十字病院放射線科部)をオンラインで開催した。

今回のセミナーは、近年、CTの高性能化に伴い、画質を担保しつつ大幅な造影剤削減が可能になったことに伴い、今までCT造影検査では使用されてこなかった低濃度造影剤が注目されつつあることから開催された。

 岩田直浩氏(大分大学医学部附属病院病院医療技術部放射線科部)は「CT motion×AiCEがもたらす低管電圧撮影の実態」、竹上和希氏(山口大学医学部附属病院放射線部)が「低濃度造影剤が当院の造影CT検査にもたらした変化」と題し講演した。

 岩田直浩氏は大分大学医学部附属病院における令和2年度の造影検査(13,746件)に関し、肝・胆・膵が約4割(8,814件)を占めていると報告 。CT motionの利用で、バイアルを2本直接セットすることが可能となり、後押しや休止に用いる生理食塩水の量が自由に設定できるようになり準備に要する時間が大幅に改善した。低濃度造影剤を用いることで、熱感が少なく副作用が少ないなどのメリットを述べた。その上で、AiCEを用いることでアーチファクトノイズを低減し画質改善がなされ、低管電圧撮影利用の幅が広がると話した。

 続いて竹上和希氏もCT motionを用いて低濃度造影剤を注入する目的を「廃液コストの低下」「副作用発生頻度の減少」「血管外漏出の頻度減少」などと説明。このうち「廃液コストの低下」では、シームレス機能により分割注入が可能となったことで、造影剤のボトルが空になるまで使えるようになり、山口大学医学部附属病院では、2018年7月~2019年3月までの218日間で約190万円のコストが削減できたと話した。また、「ビームハードニングによるアーチファクトの増強で、肩や甲状腺、前立腺に影響が受けやすい」「金属アーチファクトの増強」など、低管電圧CTの留意点についても説明した。