東芝メディカルシステムズ、メディアセミナー「CTを用いた大腸がん検診技術」 を開催~大腸がん検診の現状と今後の動向を報告~

2011.10.17
太刀川博之氏
宮谷美行氏
森山紀之氏
 東芝メディカルシステムズ(株)は10月13日、東京ステーションコンファレンス(東京都千代田区)にて、メディアセミナー「CTを用いた大腸がん検診技術」を開催した。
開会にあたり、太刀川博之氏(同社広報室)が「大腸がんの医療現場の現状と問題点、検診についての専門的な知識などを本セミナーで紹介していく。メディアの皆様にご協力いただき、大腸がん検診に対する認知を広めていきたい」と挨拶を述べた。
 続いて、宮谷美行氏(同社CT営業部)が「東芝の大腸がんCT検診技術について」を講演。大腸がんCT検診が認知されるためには、まずは受診者の負担が少ないシステムの開発が必須であるとし、「弊社の16列CTでは息止めが13秒必要になるが、春から運用開始した80列マルチスライスCTでは、わずか2.5秒で済むようになった。線量を落とした際に発生するノイズを除去する技術も進み、従来の半分以下の線量でも読影できる。受診者にやさしいシステム開発に努めている」と述べた。また、検査精度を維持するための施策として、撮影した画像の共有システム、0.5mmの高画質検出器の開発、大腸CT撮影専用寝台マットの開発なども報告した上で、動画配信やトレーニングコース設置による読影医の養成、遠隔読影のメリットなどにも言及した。
 森山紀之氏(国立がん研究センター がん予防・検診研究センター)は「大腸がんの現状と大腸がんCT検診の役割」について講演した。同氏は「比較的若い人にも発生」「がんの進行がそれ程速くない」「検診で発見しやすいがん」といった大腸がんの特徴を挙げた上で、今後の検診方法について考察。「便潜血・大腸がん特異性便内蛋白質検診による大腸がんの高危険群の設定をした上で、CTC(CTコロノグラフィー)検診を行うべきだ。CTCなら、大腸内視鏡やX線に比べ多くの人数を検査することが可能な上、CT情報から構築した仮想内視鏡像なら死角などの見落としも防ぐことができる」と述べた。また、同氏が考察した新しい展開法(Moriyama法)では、陥凹型病変も発見しやすくなったという。