日本初の卵円孔開存(PFO)閉鎖デバイスからはじまる脳卒中専門医と循環器専門医による夢のタッグ

category:取材速報
2020.02.04
岩間 享氏
伊苅裕二氏

 アボットメディカルジャパン合同会社は1月28日、ベルサール東京日本橋(東京・中央区)にて「脳梗塞の最新再発予防~潜在性脳高速と卵円孔開存」と題したプレスセミナーを開催した。
 前半では岩間 享氏(岐阜大学医学部脳神経外科教授/日本脳卒中学会理事)が生産年齢に多い潜在性脳梗塞の現状と治療、および再発予防について講演を行った。脳卒中は日本人の死因の第4位を占めており、生存者にもしばしば重篤な後遺症が残り、重い要介護状態の原因の第1位をとなっている。認知症の原因の3~4割を占めるといわれ、高齢化とともに患者数の増加が予想されている。40代を中心とした生産年齢にも発症例が多いため社会的損失は大きく、約1.8兆円の医療費と約1.9兆円の介護費という、日本の医療支出の一因を占めている現状に警鐘を鳴らした。
 後半では伊苅裕二氏(東海大学医学部内科学系循環器内科 領域主任教授 診療科長)が登壇。「卵円孔開存(PFO)とその最新のカテーテル治療について」として、PFO閉鎖デバイスAMPLATZERTM PFOオクルーダーを使用した治療について講演を行った。心臓の左右の心房中隔に孔が開いているPFOは4人1人の割合で閉じずに開存しており、脳梗塞の再発リスクとなる可能性があると考えられている。AMPLATZERTM PFOオクルーダーは、このPFOが関与したと考えられる脳梗塞の再発予防として、カテーテルを通して心臓内に留置。PFOを閉鎖することで、血栓が孔を通過して脳まで達し脳梗塞を再発するリスクを低減させる低侵襲の人工心膜用補綴材である。60歳未満の潜在性脳梗塞(奇異性脳塞栓症の確診例、または一過性脳虚血発作(拡散強調画像などの頭部画像で陽性例)を含む)の既往があり、PFOの存在が脳梗塞の発症に関与していると判断された患者に使用される。海外では意識下鎮静法を用いた卵円孔閉鎖術が1時間以内に完了し、24時間以内に退院が可能となった患者のケースもある。国内で同治療ができる施設は現在36、保険償還価格86万5000円となっている。
 プレスセミナーの最後には、岩間・伊苅両氏が報道陣の質問に答えるとともに、脳卒中専門医と循環器専門医によるブレインハートチームの必要性を説いた。わが国は超高齢社会に突入し、医療・介護による財政面の圧迫も危惧されている。健康寿命延伸が今後の医療の命題となるなか、脳卒中専門医と循環器専門医のタッグによるブレインハートチームが健康寿命延伸のひとつのキーワードになることだろう。

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