日本医療機器産業連合会、年頭記者会見を開催

2018.01.11
渡部眞也氏
 一般社団法人日本医療機器産業連合会(以下:医機連)は2018年1月5日(金)、KKRホテル東京(東京都千代田区)にて、年頭記者会見を行った。
 まず渡部眞也氏(一般社団法人日本医療機器産業連合会会長)は2017年の振り返りとして、10月の薬事規制当局サミットシンポジウムにて、世界30か国の規制当局トップへ革新的医療機器を早期に患者に届けるための規制の在り方と重要性を産業界の立場で発表したことなどを挙げた。
 医機連は2017年6月より「Society5.0を支える医療機器産業をめざす」という方針を掲げており、これを実現するためには3つの視点による貢献が重要であると述べた。
 第一はより良い医療の実現への貢献。地域包括ケアシステムなど新たな医療の要請に応え、様々なイノベーションによって診断方法や治療方法を創出することで、最先端の医療を実現する。また医療機器販売業による適正使用支援業務などで医療現場を支えて環境を整備し、介護人材の働き方改革を推進する従来の地道な取り組みも併行させていくことが必要になるとも語った。
 第二にデータへルスやICTの利用で医療の効率を向上させ、持続的な社会保障システムを構築して貢献とする。人類が初めて経験するであろう両高齢社会において、一人ひとりが問題なく活躍できる社会を創ることを目指す。
 第三に日本が医療機器産業において成長産業であることをふまえ、デジタル革命の推進を挙げた。デジタル技術の向上と、エコシステムの強化、アジアなどへのグローバル展開支援によって、業界としての生産性向上につながる活動に注力していく目標を定めた。
 経済産業省による「我が国医療機器のイノベーションの加速化に関する研究会」や厚生労働省の「医療機器基本計画」の閣議決定を経てめまぐるしく変貌する環境の中では、医療現場から創出されるデータによる、ナショナルプラットホームへの期待が高まっている。また医療に対する安心安全は最優先であり、特に最近ではデジタル化によるセキュリティ面も重要なテーマとなっている。
 最後に渡部氏は「優れた医療機器・医療技術の開発と供給を通じて、医療の進歩と医療機器産業の発展に貢献する」というビジョンを基に、2018年も正会員21団体の活動を支援し健全な発展に取り組んでいくことを結びとした。