GEヘルスケア・ジャパン、医療データ分析サービスApplied Intelligence記者発表会開催

2017.08.18
多田荘一郎氏
藤本康三郎氏
松葉香子氏
日野工場
日野工場の様子
 GEヘルスケア・ジャパンは、8月10日(木)、GEヘルスケア・ジャパン日野本社(東京都日野市)にて、病院経営および院内部門の運営を支援する新サービスを提供開始するにあたり、記者発表会を開催した。
 多田荘一郎氏(GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長兼CEO)は、GEヘルスケア・ジャパンの戦略について
「超高齢社会における医療課題解決へのイノベーションとして、デジタル・IT連携が可能にする単一・単独の取り組みからより複合的な取り組みを行い、人・モノ・情報をつなぎ、得られた示唆をアクションにつなげていきたい」と述べ、増大する医療データを活用して、医療の質・医療費改善へ貢献していくと説明した。同社は、画像診断技術・サービスとICT基盤でユーザの夢に寄り添い、「Brilliant Factory」の構築により、デジタル時代の生産性向上を自ら実証し、ユーザへ「Brilliant Hospital」のサービスを提供していく。
 次に、藤本康三郎氏(GEヘルスケア・ジャパン製造本部本部長工場長)より、GE Brilliant Factoryについて、世界の中でもBrilliant Factoryを牽引し、30年以上の歴史をもつ日野工場について紹介があった。日野工場では、CT、MRI、CTディテクタ、超音波プローブを製造しており、人とプロセスのばらつきを標準化することで、デジタルを活かすアプローチを行っている。デジタルを活かすことで日野工場ではカイゼンを倍速化していき、2016年には65%のリードタイム削減を実現したラインもある。従来は、スパゲッティチャートを用い、人の動線を可視化し分析を行っていたが、分析に時間を要することもあり、カイゼンまでつなげることが難しい点もあった。しかし、ヒートマップにより、人の滞留についてデータを可視化することで知見を得られ、カイゼンに結び付けることが可能となった。医療機関からの工場見学を通じ、「Beacon等のセンサーで最適なレイアウトがタイムリーにわかるというのは有意義なアイディアであり、病院もオペレーションなので、こうした考えを取り入れていきたい」などの声が届いている。
 松葉香子氏(GEヘルスケア・ジャパンヘルスケア・デジタル事業本部本部長)はApplied Intelligenceについて説明。これからの方向性について、「デジタル+IT連携で、施設単位からエコシステム単位で効率化していく」と述べ、同社はBrilliant Hospitalのビジョンとして医療機関においてケアの品質を落とさず運営を最適化することを支援していくと語った。院内の人、モノ、データをつなぎ、分析し活かすことで病院や地域医療の課題を多角的にサポートしていき、課題が解決されると、事実に基づく示唆から納得感をもち改善取り組みを行え、経営意思決定の迅速化も図れることで、本来の改善活動にエネルギーを向けることができ、改善活動から生まれた余裕を活かし、患者さんにより向き合うことにもつながっていく。実際に、可視化・分析から得られた示唆を具体的な改善につなげた事例として、CTの検査待ち時間短縮が可能となったり、入外検査比率から増収のヒントを得たりできている。
 記者発表会では、Brilliant Factoryを担う日野工場の一部が公開され、ヒートマップ等のカイゼンにつながっている取り組み・工夫が実際の現場で実例などと共に紹介された。