治療戦略を導き出す!
「Philips Radiology Summer Seminar 2016」開催

category:取材速報
2016.08.26

 フィリップスエレクトロニクスジャパンは、8月20日に東京コンベンションホールで、「Philips Radiology Summer Seminar 2016」を開催した。
本セミナーは今井 裕氏(東海大学医学部)を代表世話人に、4部構成で8つの講演が行われた。講演に先立ち今井氏が登壇。挨拶として、セミナー開催の嬉しさと感謝を述べた。

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           会場風景

今井 裕氏
大場 洋氏
新谷好正氏
鹿戸将史氏
戸﨑光宏氏
津川浩一郎氏
印牧義英氏
大友 邦氏
坂元亨宇氏
北尾 梓氏
吉田宗一郎氏
片平和博氏

 その後、第一部「脳神経MRI(脳卒中・脳腫瘍)」では、大場 洋氏(帝京大学医学部放射線科)を座長とし、まず新谷好正氏(小樽市立病院脳神経外科)が、脳神経外科救急診療の救急ASLについて講演を行った。講演の中で年齢・性別・病歴が異なる様々な症例を示し、「局所脳血流や脳血液量の変化などの異常がASLで確認可能。また、ASLの異常所見は多様な病態を反映するため、総合的解釈を必要とする」と語った。その上で「脳神経外科救急診療では治療戦略を導き出すための必要不可欠な検査モダリティーだ」と述べた。第1部の2人目として鹿戸将史氏(山形大学医学部附属病院放射線診断科)が、「脳腫瘍へのMSDEの応用」と「中耳真珠腫へのTSE-DWIの応用」について述べた。鹿戸氏はMRIでは描出できない滑車神経のMSDEによる描出などを示し、「MSDEはflow signalを消去すると、動脈硬化や脳動脈解離に役立つ上、神経描出にも優れ、脳腫瘍、播種検索の造影にも有用である」とした。また、中耳真珠腫へのTSE-DWIの応用に関しては、「Non EPI-DWI(TSE-MSDE)は中耳真珠腫の描出に優れ、MR cisternographyやCT画像と組み合わせると、病変の局在や術式選択に寄与する」と結論付けた。
 続いて、戸﨑光宏氏(相良病院附属ブレストセンター放射線科)を座長とする第2部「乳房MRI」が行われた。1人目の演者として津川浩一郎氏(聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌外科)が登壇し、臨床医の立場から「画像診断は個別化医療の重要なツール」であり、乳房MRIは「術式決定にも寄与する」などとした。2人目は、印牧義英氏(聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック放射線科)が講演。画像診断医の立場から、乳腺外科領域における治療戦略を導き出せるMRI画像診断について語った。講演の中では、MRIガイド下生検や乳房専用PET、ハイリスク群に対するMRIを用いたスクリーニングなどに触れ、「撮像や読影の標準化が重要であり、MRI検出病変への対応や、各モダリティの特性を理解し最適な検査の選択が必要」だとした。
 第3部「肝臓MRI」では、大友 邦氏(国際医療福祉大学学長)を座長に、まず坂元亨宇氏(慶應義塾大学医学部病理学教室)が肝臓の個別化治療に関して語った。そこでは、「画像診断による線維化の診断と病理診断による精密定量化」、「画像による早期癌の検出、診断と病理による早期癌の悪性度診断」などについて述べられ、「慢性肝障害の発癌リスク診断」「早期肝細胞癌の診断とグレーディング」「進行肝細胞癌のサブクラス分類」などの、「病理と画像の相補性・双方向性」が示された。2人目の演者は、北尾 梓氏(金沢大学附属病院放射線科)であり、症例からEOB-MRIの有用性を再認識しようという内容であった。具体的には、早期肝癌の症例を示し、「EOB-MRIの方がdynamic CTと比較して感度や特異性が高いこと」や、「EOB-MRIが肝細胞癌の早期診断、微小病変の検出に優れ、肝癌診療に不可欠の存在」であることなどを語った。
 最後となった第4部「前立腺MRI」では、代表世話人でもある今井氏が座長を務めた。1人目の演者は吉田宗一郎氏(東京医科歯科大学医歯学総合研究科)で、「尿路上皮癌の診療では、拡散強調MRIとADC値が生物学的・臨床的悪性度を反映し、治療感受性予測と治療効果判定への有用性が期待できる」ことなどを述べた。4部2人目の演者は片平和博氏(国家公務員共済組合連合会熊本中央病院放射線診断科)である。片平氏は前立腺MRIを正しくゲートキーパーとして使うことにより、不要な生検や加療を防ぐことができるとした。また、前立腺癌転移診断にDWIBSが非常に有効であり、広く普及することが望まれるとも語った。
 最後に、フィリップス社から挨拶があり、セミナーが締めくくられた。

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