JIRA、平成23年度通常総会記者発表会を開催~平成24年度診療報酬改定に向けたJIRA要望事項も公開~

2011.06.08
加藤久豊氏
浜松 潔氏
野口雄司氏
(社)日本画像医療システム工業会(以下JIRA)は、6月1日、KKRホテル東京(東京都千代田区)にて、平成23年度通常総会記者発表会を実施した。
はじめに加藤久豊氏(JIRA会長)が平成23年度活動の基本方針と事業計画を発表。JIRAは2010年を節目と捉え「JIRA将来構想プロジェクト」を組織し、アクションプランの確実なる実行のために「平成23年度事業計画」が決定された。平成23年度活動の基本方針は表の通り。「安全・安心への取り組みと規制への適切な対応」としては、薬事法下で安全性を確保するための様々なガイドライン作りに継続的に取り組むこと、「企業振興への取り組み」については、JIRA会員の70%を占める中小企業の中でも画像医療IT事業進展に伴い増加する「医療ITベンチャー企業」会員にも配慮し、企業振興に繋がる活動を強化していくことなどを述べた。また、グローバル市場を視野に入れた国際活動として、今年はCIMDRセミナーを初めて中国当局とJIRAで共催すると述べた。また、東日本大震災での患者情報損失等を受け、遠隔医療の側面からも医療ITを日本のイノベーションとして打ち出していくべきであり、JIRAは今後も医療界や行政の動きと連携し、活動や提言を推し進めると述べた。
続いて浜松 潔氏(JIRA副会長)より、平成24年度診療報酬改定に向けた産業界からの提言を、「安全保障」「精度保証」「運用保証」の3つの保証を柱に行っていくことが述べられた。具体的な平成24年度診療報酬改定に向けたJIRA要望事項については、野口雄司氏(JIRA経済部会部会長兼産業戦略室)が説明を行った。安全保証としては「医療機器安全管理料1」の適用拡大、精度保証としてはデジタル撮影における検像に係る「画像精度管理料」の新設、運用保証としては「断層撮影料(CT・MRI)」の基礎点数+加算評価を求めていくとした。個別技術評価に関する要望事項については、表2の通り。

表1

1 画像医療システム産業の成長促進
-1 安全・安心への取り組みと規制への適切な対応
-2 経済性・有用性の適正評価
-3 企業振興への取り組み
2 JIRA基盤活動の強化
-1 グローバル市場を視野に入れた国際活動
-2 標準化活動
-3 施策提言と連携活動

表2

X線一般撮影
項番 技術名 保険収載
1 スロットラジオグラフィ(平面検出器使用デジタル長尺撮影)
2 トモシンセシス(コンピュータ断層再構成法)
3 マンモCADe(乳房用Computer Aided Detection Technology)
4 コーンビームCTイメ0時(平面検出器使用コンピューター断層再構成法)
5 乳房X線撮影検査の追加撮影の増点
6 経静脈的デュアルエナジー乳房造影
X線CT撮影
項番 技術名 保険収載
1 CTパフュージョン(非イオン性血管造影剤による脳血流動態検査)
2 CTガイド下穿刺・手術
3 CT大腸コロノスコピー
4 CT内臓脂肪検査
5 CT肺気腫検査
MRI撮影
項番 技術名 保険収載
1 MRI-IMR(インターベンショナルMRI)
2 MRI-IOP(イントラオペレイティブ(術中)MRI)
3 MRI-MRS(MRスペクトロスコピー計測)
4 MRI-ストレス(MRI関節機能撮影)
5 MRI-急性期脳梗塞
6 MRI-マンモグラフィ
核医学撮影
項番 技術名 保険収載
1 FDG-PETのリウマチへの適用
放射線治療
項番 技術名 保険収載
1 術中照射療法
2 呼吸性移動対策
3 対外照射
その他
項番 技術名 保険収載
1 遠隔画像診断の施設基準
2 電子画像管理加算の施設基準
3 医療機器安全管理料1の適用拡大
4 医療機器安全管理料2の適用拡大
5 医療機器安全性情報等管理体制加算の新設
6 要介護者撮影補助加算