富士フイルムメディカル、FUJIFILM MEDICAL SEMINAR 2015を開催~創立50周年を記念して、これまでの歩みと最新の技術開発について

category:取材速報
2015.06.24

 富士フイルムメディカル株式会社は6月20日にJPタワーKITTE(東京都千代田区)にて「FUJIFILM MEDICAL SEMINAR 2015 in TOKYO」を開催した。創立50周年を迎える同社の技術開発の歴史を交え、最新のX線画像診断システムについての講演が行われた。
 まずは開発担当の山田雅彦氏(富士フイルム(株)R&D統括本部技術センター)が最新のソフトウエア「Virtual Grid(以下VG)」について説明をした。

山田雅彦氏
田所秋宏氏
遠藤登喜子氏
会場風景

「VGは、X線撮影時に実グリッド(以下RG) を使用していない撮影画像と撮影条件でも散乱線量を推定して画質を改善して画像処理をする。RG配置に起因する濃度ムラの防止や、撮影時の取扱いのしやすさ、ポータブル画像の画質の向上が可能となり、X線画像撮影時の「簡単さ」と「高画質」の両立が期待されている」と述べた
 次に、田所秋宏氏(日本大学医学部附属板橋病院中央放射線部)が、同院救命救急センターで実際にVGを運用する立場から、「VGの導入により『軽量化によるX線撮影業務の負担軽減』と、『RGが原因で生じる画質低下を抑えること』が望まれる」と発言。さらに、胸部撮影ではVGがRGと比べ線量を下げることが可能であることを示し、「VGの登場で、ワークフローを大きく変えることなく、被ばく低減と高画質、作業効率アップを実現している」とその効果を謳った。
 最後に遠藤登喜子氏(国立病院機構東名古屋病院)が登壇。マンモグラフィ(以下MG)の精度を向上させるものとして今最も期待されているトモシンセシスについて講演した。
 MGの発展によりデジタル化が進み、モニタ診断が主流となった。石灰化の発見と診断は格段に進歩する一方、腫瘤・dencityの読影診断においては濃度の評価において厳しいものがある。同氏は、トモシンセシスの画質と高分解能を優先した「HR-mode」で撮影した画像と、従来から使われている2D-MG画像の比較・検討を行った。その結果、「HR-mode」は石灰化を伴わない病変の診断に有効であり、2D-MGで撮影した画像に追加読影をすることで、診断性能が向上したという。また、石灰化の診断においても、背景乳腺との関係はトモシンセシス撮影画像が有意に優れていた。
 同氏は「石灰化の精査は拡大撮影が良いが、それ以外はトモシンセシスが優れる」とその優位性を示した。しかし一方で「トモシンセシスによる診断能向上は2D画像との併用によって成り立っているため、トータルでの被曝線量を下げることが課題である」とも述べている。その上で「今後、2Dとトモシンセシスを併用する際の、トータルの被曝線量の最適化を検討していく」と結んだ。

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