日立製作所、Hitachi IR Day 2015において中期経営計画に沿った事業戦略を発表

2015.06.16
中村豊明氏
岩田眞二郎氏
渡部眞也氏
会場風景
 (株)日立製作所は、2015年6月11日、Hitachi IR Day 2015を東お茶の水ビル(東京都千代田区)で開催した。
 まず中村豊明氏(同社執行役副社長CFO)から、同社の2015年中期経営計画と成長戦略について発表された。2014年度の売上高は9兆7,619億円、営業利益は6,004億円で、2015年度は売上高9兆9,000億円、営業利益6,600億円の見通し。これを実現するための成長戦略の柱としてサービス事業の強化によるイノベーション、社会イノベーション事業のグローバル展開、そして、業務のグローバル標準化と変化に対応する経営基盤の確立、の3点を挙げた。
 岩田眞二郎氏(同社執行役副社長CTrO)は、Hitachi Smart Transformation Projectと題した事業基盤整備のプロジェクトについて説明を行った。同氏は「このプロジェクトで2014年は1,000億円のコスト削減を達成、2015年は1,100億円超を目標とする。次期中期計画を見据えつつ、グローバルで勝てる組織構造への変革を目指す」と語った。
 午後の部では渡部眞也氏(同社執行役常務兼ヘルスケア社社長)がヘルスケア事業について報告した。
 同社ではヘルスケア社を中心とした各グループ企業が連携して事業を拡大している。
 超音波・MRIなどの画像診断装置の新商品や次世代機を打ち出し、海外市場でのシェア拡大とブランドの強化・確立を狙う。粒子線治療システムの開発にも注力し、国内外の施設での導入が決まっている。同氏は「優れた照射技術や先進病院での実績、幅広いニーズへ対応できることが日立の優位性である」と自信を見せた。
 北米などでは脳腫瘍をMRI画像上で確認しながら手術ができる「インテリジェント手術室」を展開。さらに、医療機関のデータベース構築を効率化し、効果的な癌治療計画の策定を支援する事業を手掛ける。
 他にも生化学・免疫検査事業の拡大や細菌・遺伝子検査や再生医療関連事業への参入も予定している。
 最後にヘルスケア事業全体の長期計画について、「2018年度には6,000億円の売上としたい」と締めくくった。