東芝メディカルシステムズ、国際モダンホスピタルショウにて
「新しい専門ドックとしての心臓MRIドック」に関するセミナーを開催

2014.07.24
寺島正浩氏
 東芝メディカルシステムズ(株)は7月16日に国際モダンホスピタルショウ2014(東京ビッグサイト)において『東芝メディカルシステムズ(株)プレゼンテーションセミナー』を開催した。「新しい専門ドックとしての心臓MRIドック」と題し、寺島正浩氏(心臓画像クリニック飯田橋)が講演を行った。
 寺島氏が院長を務める心臓画像クリニック飯田橋は、日本で初めての心臓CTや心臓MRIを専門に行うクリニックとして2009年にオープンした。地域の開業医や中核病院、大学病院からの紹介患者さんを中心に心臓画像診断を行ったり、同院で心臓ドックを受けた患者さんで、重要所見が見つかり治療が必要な場合に病院を紹介したりしている。通常、病院でMRIやCTによる心臓の検査を受けようとすると、検査まで1~2ヶ月程度待つことが多くある。これは心臓画像の検査や3D画像の再構築は時間がかかるためまとまった検査枠を確保できないことが原因であるが、同クリニックはその点を補うべく、短い時間でドックをまわし、その日のうちに診断をしている。
 同氏は「突然死のうち74%は心筋梗塞や急性心不全など、心臓に関係する」と述べ、更にそれは「CTやMRIでの検診によって、防ぐことができる」とした。例えば、心筋梗塞などを引き起こす動脈硬化は、心電図やX線などの通常の検診では発見できないが、CTやMRIでは可能であるという。しかし心臓CTには問題点もあり、同氏は問題点として被ばくとヨード造影剤使用による造影剤腎症やアナフィラキシーショックの可能性を挙げた。一方でMRIは磁気によって検査をするため、これらのデメリットはない、とした。同氏によると「心臓の動きや病巣をよく見ることができるため、心臓ドックには適している。」心筋梗塞は、最初に苦しさを覚えたときに死に至る場合が半数だという。そうなる前に予防することが大切であり、それを行えるよう、病院と遠隔画像診断のクリニックなどが連携するというシステムを作っていくことが重要である、と締めくくった。