「遠隔画像診断サービス業界フォーラム構築に向けて-第3回勉強会-」が開催

category:取材速報
2012.10.17
石垣武男氏
大野 孝氏
煎本正博氏
森脇博信氏
仁尾弘成氏
中安一幸氏
勉強会の様子
 遠隔画像診断サービス業界フォーラム立ち上げのための準備委員会は10月13日、エッサム神田ホール(東京都千代田区)にて「遠隔画像診断サービス業界フォーラム構築に向けて-第3回勉強会-」を開催した。
 はじめに、石垣武男氏(同会世話役代表)が、一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会(仮称)設立の趣旨について説明。同連合会は遠隔画像診断に携わる読影医が安心して仕事ができる環境の担保のため、依頼病院から画像が送られ読影モニタに表示されるまでの工程に関わる、読影会社の医師、病院・クリニックの医師、メーカなどが参加する団体となる。
 団体組織構築の目的として、(1)遠隔事業サービスにおける精度・質・安全性の向上・維持の支援と普及(2)遠隔事業サービス領域における団体保険制度の確立・拡充を図る(3)遠隔事業サービスの公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進(4)関連学会、行政、その他の関連諸団体との情報交換や協力(5)遠隔事業サービスの普及を図る講演会、研究会の開催支援、運営支援事業などを挙げ、遠隔画像診断に関わるサービス業者やその関連業者が切磋琢磨しより高品位な遠隔画像診断サービスを提供することを目指す。
 続いて大野 孝氏(イーサイトヘルスケア(株))により、同連合会の組織案と構成員についての説明がなされた。構成員はA会員(遠隔画像診断サービスを行っている法人又は個人)、B会員(当会の目的に賛同し、共に活動する法人又は個人)、賛助会員(当会の目的に賛同し、応援下さる法人又は個人)となる。
 勉強会の前半は、まず煎本正博氏((株)イリモトメディカル代表取締役)より、放射線科医が遠隔画像診断についてどのような意識を持っているかについて、2011年の日本放射線技術学会秋季学術大会で行ったアンケートの内容に触れながら説明した。利点として「病診連携の実践」「読影報告までの時間の短縮」「領域毎の専門性の確保」などの医療の質の向上という面を挙げた。また、欠点として「読影医間のコミュニケーション」「依頼医・依頼施設とのコミュニケーション」「読影結果のフィードバックの不足」や「顔がみえない」点を挙げ、「遠隔読影のネガティブなイメージをどう払拭していくかが、今後の課題だ」と訴えた。
 また矢野経済研究所の資料を基に「企業・プロバイダー型」「大学型」「専門医型・独立型」と遠隔画像診断医のタイプを紹介。特に企業・プロバイダー型については「“専門家による画像診断が困難な医療現場において、画像診断の専門医がその読影診断能力を提供して医療の質の向上を図る”という遠隔画像診断ガイドラインの理念を体現しており、社会的貢献は十分すぎるほど評価するべき」とした。
 新たな方向性として、リモート読影室という考え方と画像診断管理加算の活用について、常勤/非常勤放射線科医との共存についても紹介した。
 森脇博信氏((株)ドクターネット代表取締役)は、これまでの勉強会でも議論されてきた団体保険について改めて解説。そのうえで「団体をひとつの医療機関のような形にしての保険を導入し、正式に団体として認められることで交渉力を持つことにより、より有利に交渉を進めていくことができる」と今回の連合会設立にあたっての団体保険の面からの意義を説明した。
 仁尾弘成氏((株) エスイーエムメディカルソリューション)は、システム構築上の課題について情報フォーマット、通信規格の統一やシステム、情報の安全管理にための専門知識を有する人材育成・確保・配置、読影医の確保が必要とした。なかでも「読影レポートは遠隔読影会社にとって一つの商品」として、読影品質確保のための読影品質管理を行う放射線科医師の配置の重要性について述べた。
 後半は、中安一幸氏(厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐)により、マイナンバーと個別法と題して、医療分野に番号を導入するにあたってのプライバシーリスクを考えるために、「医療とプライバシー」について参加者に設問を投げかけながら講演が行われた。「医療情報は誰のものかではなく、誰の責任下にあるかが大事」であり、医療情報の利用にあたり法律化をする際は、「医療技術の向上」、「地域連携」のためという一文を加えるべきだとした。
 個別法の成立について、「情報の提供に対して本人にとって益があるか、公益性があるかが重要であり、そのための同意ルール作成が必要」とまとめた。
 なお、最後に同連合会の今後のスケジュールが発表された。平成25年1月26日に第4回勉強会を開催し、会員勧誘と組織全容の説明が行われる予定。
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