第5回消化管CT技術研究会inSAPPOROが開催

category:取材速報
2012.07.09
吉川秀司氏
平野雄士氏
小倉敏裕氏
富松英人氏
藤原正則氏
箱石 卓氏
後藤秀樹氏
設楽裕行氏
川上 恵氏
田仲健朗氏
鈴木雅裕氏
坂本 崇氏
山崎通尋氏
飯沼 元氏
 第5回消化管CT技術研究会が7月7日、北海道大学学術交流会館(北海道札幌市)にて開催された。
 吉川秀司氏(大阪医科大学附属病院)が総合司会を務め、今回の当番世話人で当会の代表世話人でもある平野雄士氏(小樽掖済会病院)が「今日は大いに意見を交わし合い、確かなより良い技術を自分のものにしてほしい」と開会の挨拶を述べた。
 まず教育講演では、小倉敏裕氏(群馬県立県民健康科学大学)の司会の下「CT colonographyで診る大腸癌~術前症例から~」と題して富松英人氏(岐阜大学)が講演した。富松氏は、早期浸潤癌の多くはCTCで検出可能であり早期治療に貢献できる可能性があるが、デメリットも今後顕在化すると予想されるため相応のリスク管理は必要と考えられる、と述べた。
 一般演題は午前と午後に分けて計5演題の発表が行われた。藤原正則氏(亀田メディカルセンター幕張)は「大腸3D-CT診断における読影者間の相違に関する検討」として発表を行い、1次読影と2次読影の結果を比較することで精度が向上し、2体位比較読影で病変と残渣の鑑別が困難な所見も診断可能になったこと、ブラインドによるダブルチェックが有用であることを述べた。
 箱石 卓氏(JA北海道厚生連札幌厚生病院)は、「逐次近似法を応用したCTCの被ばく低減に向けた基礎的検討」としてファントムを用いた検討結果を示し、逐次近似法を応用した画像再構成を用いたCTCでは、従来のFBP法のみで低線量撮影した場合よりノイズが減少、被ばく低減が期待できることも示唆した。
 後藤秀樹氏(医療法人彰和会北海道消化器病院)は「小腸3DCTにおける炭酸ガス自動注入器の使用経験」として、炭酸ガス自動注入器による持続送気で下部小腸を拡張し描出できたメッケル憩室の2症例を示した。
 設楽裕行氏(国立がん研究センター東病院)は、「CTCにおけるバリウムと等張掖を用いた前処置法の考察」について発表。同院にてCTC検査数が増加したことから午後の検査枠を解放したが、従来のブラウン変法では対処できず、等張掖を用いた前処置法を考案し、その有用性が示されたと報告した。
 川上 恵氏(済生会熊本病院予防医療センター)は「CTCにおける前処置法別tagging効果および受容性の検討」について、高張駅とCTC用バリウムを用いた前処置法は、等張掖+ガストロフィンの場合よりもtagging効果が良好で受容性も高かったとの結果を述べた。
 当番施設におけるCT Colonographyについては、田仲健朗氏(小樽掖済会病院)が発表。同院でのCTC検査検査における使用機器や前処置法、またziostation2の大腸解析ソフトの表示法であるVGPや画像やレポートの作成方法についても紹介した。
 関連メーカセッションでは、AZE、ザイオソフト、GEヘルスケア・ジャパンの3社のワークステーションを使用し、各社のユーザの代表が実際の症例画像をその場で読み込み、読影までを行った。
 最後にエーザイ/エーディアセッションとして2つの講演が行われた。まず鈴木雅裕氏(国立がん研究センター中央病院)が座長を務め、「CTCの技術を考える」と題して坂本 崇氏(済生会熊本病院)が講演。CTCにおいて必要となる前処置、腸管拡張、撮影、読影(画像処理)の4つの項目について解説した。CTC技術の将来展望として、受容性向上のためのバリウムを用いた前処置法、炭酸ガス自動注入器による安定した腸管拡張、CADを用いた画像解析による時間短縮と精度向上、逐次近似再構成の応用による被ばく低減、術前CTC診断による壁進達度診断の可能性を挙げた。
 続いて山崎通尋氏(医療法人山下病院)の司会のもと、飯沼 元氏(国立がん研究センター中央病院)が「CTコロノグラフィー保険適応と今後の大腸画像診断の展開」と題して講演を行った。飯沼氏は、国立がん研究センターがCTCをがん検診に導入した経緯や超低線量CTCの開発について紹介、また海外におけるCTC普及の現状を示した。さらにCTC診療報酬収載に向けての活動がどのようなものであったかを示し、今後はCTCのマルチセンタースタディを予定していることを紹介した。本年度の大腸検診における新しい戦略としては、CTCを効果的に導入することにより、限られた大腸内視鏡のマンパワーと治療技術を最大限に活用することが可能であると述べた。
 今回の消化管CT技術研究会には、過去最高となる206名の参加者が出席し、CTC検査方法への関心の高さが伺われた。

 

 

 

 

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