AMDD、先進医療技術に関するメディアレクチャーを開催 ~造影剤自動注入機の安全対策などについて紹介~

2012.03.08
島田 隆氏
菅野伸彦氏
中村泰彦氏
血管外漏出探知システムXDS(日本メドラッド)
会場内の様子
 米国医療機器・IVD工業会(以下、AMDD)は、3月6日(火)帝国ホテルにて「先進医療技術の役割」啓発キャンペーン 第23回メディアレクチャーを行った。
 今回は「安全に治療技術を向上させる先進医療技術~患者さんを苦痛や再入院の危険から守る最新のテクノロジー~」というテーマのもと、先進医療技術の紹介と今後の課題について、2つの講演が行われた。
 まず開会の挨拶の中で、AMDD副会長 島田 隆氏(日本メドトロニック(株)代表取締役社長)より、デジタル化やコンピュータ技術を活用した先進医療技術は、苦痛の軽減、合併症の防止など、患者への直接的なベネフィットをもたらすだけでなく、治療自体の正確性や再現性、柔軟性を向上させるなど、間接的なメリットももたらしていることが語られた。
 講演では、菅野伸彦氏(大阪大学大学院医学系研究科運動器医工学治療学)が「股関節手術ナビゲーションの臨床的ベネフィットと今後の展望」として、3次元画像による股関節手術ナビゲーションについて紹介し、その正確性、術後のQOLの高さについて述べた。本手技は4月より保険適応となるが、今後の課題としてコスト面や技術の習得に時間と手間がかかる点などが挙げられた。
 次に中村泰彦氏(九州大学病院医療技術部放射線部門)より「X線CT検査における造影剤自動注入機の必要性と安全対策について」として、造影剤自動注入機を使った際に得られる安定した造影効果についての紹介があった。中村氏は造影剤自動注入機を使用するに当たっての課題として、造影剤の血管外漏出について触れた。血管外漏出は重症化する場合もあり素早い判断が必要とされるが、目視や触診、造影剤注入圧力波形だけで判断することが難しい。そのため、安全対策として造影剤の血管外漏出検出器の導入の必要性を述べた。しかし、現時点では血管外漏出検出器の使用については診療報酬に評価されていない点など、病院側のコストバランスが今後の普及の課題の1つとなることにも言及した。
 会場では血管外漏出検知システムなど、製品も紹介されていた。