シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス、POC(ポイント・オブ・ケア)インフォマティクスプラットフォーム「Atellica Connect POCインサイト」を発売 ~機器データと検査者データの一元管理・分析・可視化により、検査品質と業務効率の両立を支援~

2025.10.01

 シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社(東京都品川区、代表取締役社長: 村田 大氏、以下 シ
ーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス)は、医療現場における検査の質と効率の向上を支援する新し
い POC(ポイント・オブ・ケア)インフォマティクスプラットフォーム「Atellica Connect POC インサイト」
を 10 月 1 日より発売開始した。同製品は、従来の POC インフォマティクスソリューション「POCcelerator(ポ
クセレレーター)」の後継として開発された。これまで蓄積してきた検査データの統合管理機能をさら
に進化させることで、検査品質の向上を支援するだけでなく、業務効率と収益性の改善という医療現場の課
題解決にも貢献する。

開発の背景

 Siemens Healthineersの「POCcelerator」は、POC検査機器からのデータを一元管理し、検査の質と効率を向上させるソリューションとして、世界中の医療機関で広く活用されてきた。今回発売された「Atellica Connect POCインサイト」は、コンセプトからシステム設計まで世界各地のお客様の意見を取り入れて開発されたシステムだ。

 医療現場では、限られた人員で国際規格への対応や検査品質の維持を求められる一方、複数のシステムの管理負担や設備投資コストが深刻な課題となっている。また、POC検査機器の院内分散による管理の煩雑さや、検査結果の手入力による算定漏れなど、業務効率と収益性の両面で改善が求められている。

 こうした現場の声をもとに、「Atellica Connect POCインサイト」は、検査業務の可視化と一元管理を通じて、医療の質の向上と経営課題の解決を支援するために開発された。「POCcelerator」の利点を継承しつつ、より高度な品質管理機能、オープンな接続性、リアルタイムでのKPIの可視化機能を搭載することで、より多様化・複雑化する医療環境に対応し、POC領域におけるデータ管理の新たなスタンダードを確立することを目指している。

主な特長

230以上のPOC検査機器を一元管理可能なオープンシステムで、管理コスト削減と運用効率向上を実現

 同社製の機器のみならず、230以上のPOC検査機器に対応するオープンデータマネジメントシステムだ。複数メーカーの機器を一つのプラットフォームで管理できるため、専用ソフトウェアの導入費用の軽減に寄与するだけでなく、検査データの一元管理により、業務効率向上に貢献する。また、従来、機器が院内システム(電子カルテ、検査システムなど)と連携していない場合には、検査結果を手入力する必要があり、記録漏れや入力ミスにより保険請求・算定が正しく行われないことがあるが、全ての機器からのデータをオンラインで管理することで、算定ミスやや記録漏れのリスクを低減することが期待できる。

検査機器と実施者情報の一元管理により、検査品質の向上とISO要求への対応に貢献

 各装置の保守点検および修理の実施記録だけでなく、検査実施者のIDと機器を紐づけ、誰が、いつ、どの機器で検査を行ったか、また、検査実施者の資格やトレーニング履歴を記録・管理することができる。POC検査機器の状態・性能に関する品質だけでなく、検査実施者のスキルや習熟度を管理することで、ISOなど国際規格の品質・管理要求に応えながら、検査の質の向上に貢献する。

KPIの可視化とデータ分析により、現場へのインサイト提供と継続的改善を支援

 検査エラー率、オペレーターの習熟度、機器の状態などを含む5つの重要な指標(KPI)を、ダッシュボード上で可視化できる。これにより、現場の状況をリアルタイムで把握し、再トレーニングや機器のメンテナンスなど、必要な改善アクションにつなげることが可能だ。データから得られる洞察をダイナミックなグラフや個別通知を用いて現場にフィードバックすることで、行動の変化と継続的な改善を支援する。