富士フイルム、手軽に持ち運べる携帯型X線撮影装置の新モデル 新開発~AI技術の活用で検査ワークフローの効率化に貢献、在宅医療のほか、山間部・離島など幅広いシーンで簡便なX線検査をサポート~

2025.08.19

 富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤禎一氏)は、手軽に持ち運べる携帯型X線撮影装置の新モデルを開発した。新モデルは、AI技術を活用して開発した、撮影時に患者のポジショニングを支援する機能により、在宅医療のほか、山間部・離島など幅広いシーンにおいて簡便なX線検査をサポートする。本モデルの国内での発売は2025年秋、海外での発売は26年度以降を予定している。
 同社は2025年8月20日からの3日間、横浜で開催される「第9回アフリカ開発会議(以下、TICAD9)」に本モデルを参考展示する。

 同社は、軽量・小型かつバッテリー内蔵で外部電源が不要な携帯型X線撮影装置「CALNEO Xair(カルネオ エックスエアー)(海外販売名:FDR Xair)」を2018年に発売した。本装置は、これまでに70か国以上で導入され、幅広い用途に使用されている。同社の携帯型X線撮影装置は、同社独自のISS方式を採用したFPD(X線画像平面検出器)を組み合わせることで低線量でも高画質な画像を得られる点や、画像処理ソフトウェアをインストールしたノートPC型コンソールを使って撮影した画像をその場ですぐに確認できる点などが評価され、在宅医療に加え、山間部・離島などで広く使用されている。また、結核終息が重要な社会課題となっているアフリカや東南アジアなどにおいて、結核スクリーニング検査にも用いられている。

 今回、世界的に医療現場の人手不足が深刻化する中、撮影時のポジショニングなどの検査ワークフローの効率化や医療従事者の負担軽減に貢献する携帯型X線撮影装置の新モデルを開発した。「CALNEO Xair」の特長はそのままに、AI技術を活用して開発した「X-ray Centering Navi(エックスレイ センタリング ナビ)」機能を新たに使用できるようになった。「X-ray Centering Navi」機能は、搭載したカメラで撮影した画像から検査対象部位の撮影の中心位置を推定し、ライブビュー画像上に位置合わせ指標を重ねて表示させることで、限られたスペースでのポジショニングをサポート。再撮像リスクの低減にも貢献する。さらに、角度調整可能なタッチパネルを搭載。操作者は、高い位置での臥位撮影でもパネルに表示された被検者の画像を確認しながら撮影が可能であり、負担の少ない姿勢でパネルを確認できることに加え、撮影条件の設定や照射野ランプのオンオフなどもワンタッチで行える。

今回開発した携帯型X線撮影装置の新モデル

* 販売名:ポータブルX線撮影装置 XD4000、医療機器認証番号:307ABBZX00015000

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